「ねぇ、Mr.武士道」

「ん?」

「武士道の故郷は、どんなところだった?」

ビビは落ち着いた声音で問いかける

波長が波の音と合っていて、心地いい

「俺の故郷か・・・そうだな・・・」

ゾロは少し斜め上に目線を逸らして思い出す

「剣士を育てる島だったよ」

「“剣士を育てる島”?」

同じ言葉を繰り返すビビ ゾロは頷き返した

「俺の周りにも剣士になりてぇって奴がごまんといた」

ゾロは目線を海に合わせて、遠い向こうを見るかのごとく、目を細める

「山があって川があって、小さな剣道場があって・・・剣ばっかり振ってた俺には、その空間が全てだった」

毎日同じところを走り、同じところで練習し、同じ時間に帰る

そんな毎日でも、約束のために、自分のために耐えてきた

別に悪い日々ではなかったと、昔も今も満足している

「そう・・・」

ビビはゾロから目線を外して、同じように海を見た

「そんな小さな世界で、Mr.武士道は剣を振るってきたのね」

ビビは問いかけるでも、同意を求めるのでもなく、ただ呟いた

風にかき消されてもおかしくない声だが、ゾロの耳にはしっかりと届いている

ゾロは一呼吸置いてから、寝返りを打つ

足に当たっているゾロの髪の毛が擦れて、妙にくすぐったい

ビビは母親のような気持ちになりながら、ゾロの顔を覗き込んだ

「眠たいの?」

「眠い」

「さっきまでずっと、この体勢で寝てたのに?」

「ビビの膝の上は落ち着くんだよ」

ゾロはそう言うと瞼を閉じる 

嬉しい一言に、ビビはクスクスと笑うと、ゾロの耳元に顔を寄せる

そして、またあの心地よい声音で囁いた



「よい夢を おやすみなさい、ゾロ」



独占リラックスポジション


(最近の俺の昼寝ポジションは、いつもこいつの膝の上)




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10000hitリクエスト ほのぼのゾロビビ作品
のの様に捧げます 駄作ですが、喜んでもらえれば光栄です

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