*この話は皐月晴れの続編ちっくになっております
このままでも読めますが、前編を読んだほうがより楽しめるかと思いますので、
よろしければそちらをご覧になってからスクロールしてください(#^.^#)



目の前に広がる真っ暗な世界に、いつもならすぐに瞼を下ろすのだが・・・

何故だか、今日は一向に瞼が重くならない

昼間、あいつにつられて寝てしまったからだろうか?

あいつ、どーしてるかな・・・

考えるよりも先に、体がベッドから起き上がっていた

横目で確認すると、ロビンは布団をかぶってぐっすりと眠っている

あたしは安定しない足取りで、女部屋の扉へと向かった

ヒョコリと頭だけ出して、中の様子を伺うと・・・

『あ、いた』

ダンベル片手に、外を見つめる男が1人

あたしは台に上りきると、扉を開けた

「ゾロ」

その声に男は不思議そうな顔をしながら振り返った

「ナミ? お前どーしたんだ?」

その質問には答えず、あたしは歩を進める

ゾロは相変わらず不思議そうにそれを見つめていた

ゾロの真横まで来ると、ゆっくりとその場に座り込む

「・・・寝れねーのか?」

右耳を心地よい低音が掠める

あたしは少しの間の後に答えた

「・・・・・・分かんない」

「はぁ? 何だそれ」

「さっきまで寝れなかったのに、ここに来た瞬間フワフワし始めた」

何も考えられない状態で呟く

脳と口の神経回路が切断されて、口だけが本音を漏らしているような感じだった

ゾロの視線を横から感じたが、あたしの瞼は『横へ』という指示を聞かず、下へ下へと落ちてくる

そこからのことはあまり覚えていない

唯一覚えているのはゾロが、あたしが眠りやすいように、部屋の電気を消してくれたということだけ

扉を開けた瞬間、頬を掠める生ぬるいジメっとした感触

さすが梅雨気候 夜でも湿っぽさは健在ね

少し迷ったが、異常に湿度が高いのせいで蒸し暑いので、少し長めのシャツ一枚で外へ歩き出した

シャツの裾から入ってくる風はお世辞にも涼しいとは言えない

だけど、そんなことよりも・・・

あたしは見張り台(兼トレーニングルーム)へのロープを掴んだ

目が覚めると頬に触れる骨ばった肩

顔を上げて横を見ると、そこには夕べと同じようにダンベル片手に外を見つめるゾロの姿があった

「・・・ゾロ?」

「お? 起きたか」

ゾロはダンベルを上下させる腕を止め、あたし視線を合わせる

「あたし、寝ちゃって・・・」

「あぁ 部屋に戻れって言っても聞かねーから、このままだったんだが・・・よかったか?」

質問の後、あたしはゾロから視線を外して、窓の外を見た

明け方の、太陽が昇りかけの綺麗な海

あたしはまたゾロの方に頭を預けた

「うん これでいい」

少し明るんだ景色を見ながら答えるあたし

すぐ斜め上から吐息が聞こえる

「・・・まだこのままなのか?」

「うん 昨日の昼から思ってたけど、ゾロの隣りは落ち着くから」

我ながら普段は言わないようなことも口にしている自分に驚く

「ゾロが嫌なら下りるけど?」

「・・・いや・・・」

空気のゆれから、ゾロがあたしと同じように海を眺めていると分かった

「俺も、お前の横が落ち着くよ ナミ」

言葉の後に、ゾロの腕があたしの肩に回った

そして引き寄せられて、体の右側がぴたりとくっついている状態に

「まだ眠そうだな 寝ていいぞ」

「えっ? でも・・・」

「ちゃんと起こしてやるよ」

それも心配だけど、それより・・・

あたしは上目使いでゾロを見上げると、ゾロは口の端を少し持ち上げて笑った


「大丈夫 おれはずっとここにいる」


その言葉はあたしの胸で呪文のように鳴り響いて、また眠気が襲ってくる

「ん・・・お願い・・・ね・・・・ゾロ・・・」

あたしはまた温かい眠りにおちた



目が覚めて、

(一番初めに見たい顔は)
(緑髪の優しい男)



* * * * * * * * * *

小春さんのリクエスト

深夜2時は眠いです
後半は半寝状態で書いていたのですが、逆に修正をいれることなくこのまま投稿ww
いや、逆にこっちのほうがいいかな〜みたいなw
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