×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

死亡フラグこっちみんな


某巨大掲示板で晒されていた俺です。
マンション崩壊した時の騒動を目撃した人が書き込みしたらしく、今や専スレが8までいっているらしいよハハハ。S級ヒーローと検索かけるともしかして:ホモ とか出てくるようになったんだぜ?俺の実名は出されてないとはいえそれも時間の問題だろうしもう自害するしかない。



もうね、ほんとね、つらい。



「いや俺はまだ信じている、奴らのアレはホモとかじゃなくてちょっと嫉妬深い友情であると…」
「だったらいいな」
「なにその憐れんだ目。ちょっとサイタマ氏最近俺に対して辛辣すぎない?俺なんかした?」
「お前俺のプリン食っただろ」
「それいつの話!?ちゃんと謝っただろ!」



俺の唯一の味方の心の狭さに愕然としつつ、目の前にある資料に目を通す。かなりの量があり、普段なら絶対に顔をしかめるであろうそれも、今の俺からすればなめまわしたいくらい愛おしいもので。

一人暮らしには少し広めのアパートのパンフレットなのですどんどんパフパフ!

死ぬ気で勝ち取った。もう俺超頑張った。断固反対を掲げるジェノスとゾンビマンさんを千切っては投げ千切っては投げ。アパートを借りる分のお金は返済していく、つまり苦節4年ニートだった俺もとうとう働くんです涙ちょちょ切れちゃう。タツマキさんが持ってきた不動産情報はどれも庶民以下の俺からすれば到底手の届く金額ではないので丁重にお断りさせていただいた。ウン十万円の家賃とか未知の世界過ぎて怖い。そしたら「馬鹿にしてるの?そのくらい出せるに決まってるでしょ!」と斜め上の解釈をされたので今度お茶を奢ることで手打ちにしてもらった。俺ヒモの才能でもあるのかなと本気で思う今日この頃。それでもお茶の約束でで帰ってくれるタツマキさんは天使でしかない。


部屋の隅でブツブツ言ってる奴らも見習うべきだと思うなマジで。



「手足…千切る…閉じ込めて…世話…」
「目…潰して…調教…」

「なんか怖いこと言ってる助けてサイタマ氏!」
「俺は何も知らん。ていうかそいつ連れて帰れよなんで男4人で俺んちにいなきゃいけねーんだよ」



拷問かよって思うのは俺だって一緒ですう。
未だに納得出来てないゾンビマンさんとジェノスはずっとこうしてサイタマさんの家でしょげている。どうでもいいけどお前ら任務は?そしてゾンビマンさんに関しては家決めなくていいの?俺が決めた後に決めるとかそれ近所に住む気バリバリですやん。
一人暮らしに脱ニート、厳しいかと思われたこの二つをクリアさせた魔法の言葉は「認めてくれなきゃ死んでやるぅ」でした。><みたいな感じをイメージして欲しい。
勿論成人済みの死ぬ死ぬ詐欺なんて殺意しかわかないし、俺自身いつもの冗談のノリで言った言葉だった。にも関わらずこれを鵜呑みにした二人がナマエが死ぬくらいなら…と渋々了承してくれたわけだ神様ありがとう!今まで呪ってしか来なかったけど初めて感謝しといた!




「やはり兄さんを一人になんて危険すぎる…!怪人に攫われでもしたらどうするんですか!?」
「考えすぎだろ!それに一人暮らしって言っても近所だからな!連絡用に携帯も買うし、万が一怪人に襲われでもしたら即効で連絡するわ」
「いや、頭のいい怪人ならまず連絡機器を壊すだろうな。やっぱり考え直さねえか?」
「直しません〜決定事項です〜」



手頃な家賃でお風呂がしっかり浸かれるタイプに絞ってパンフレットを調べていこうと、そこからの二人の話を完全にスルーしていた俺は、今の話が完全にフラグであったことなんて知る余地もなかったのであった。