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真実はお前がカスだということ、ただそれのみである 2


流石死神という名前を欲しいままにしてきただけがあるなってくらい毎日人が死んでいるんですがどうなっているんですかね。家にいれば近所で殺人事件、旅行に行けば当然のように殺人事件、学校にいけば殺人事件。すごくない?そんじょそこらの世界なんかよりもよっぽど危険な世界じゃない?
私は原作という神の力に庇護されているわけではないただのモブなので、いつその死体になってしまうか気が気じゃないわけですよわかりますかそこの死神さん。


「寝ても寝た気がしない…」
「オメーはまーた遅くまでゲームでもしてたんじゃねえの?」
「江戸川くんはどうして隣にいるの?」


ようやく授業が終わり、さあ今日は帰って撮り貯めたテレビでも見ようかなと思っていたら毛利さんと鈴木さんに寄り道でもしていかない?と誘いを受けた私。美人さん二人にお誘いを受けるとかとても光栄なことなのだが命のために断った。どれが死亡フラグかわからない世界辛いです。
こうやって自ら死亡フラグを回避して生きているのに死神が向こうからスーっと寄ってくるのは本当に控えめに言ってガッデムですよね。しかも今日は死神(女の子)も連れてきている。毛利さん達の誘いは生存ルートだったのか…!と頭を抱えた。


「あら〜江戸川くんと灰原さんはおませさんね〜その年でもうデートかな?」
「いい加減現実を見たらどうかしら」
「ハイ」


灰原さんのクーデレは心を抉る。これでも最初のエンカウント時に比べたらだいぶ温和になったんです。お姉ちゃんだあれ?(ロリボ)→コイツは事情を知っている人間だぜという江戸川くんの余計な一声→いてつくはどう
あの冷たい目は若干トラウマだよ私は。はよ言えよってオーラが全開だった。江戸川くん一人だったら何も知りませんってとぼけたまま早歩きで家に帰れたが、彼女がいるとそうもいかない。怖い。何とかしてこの場を切り抜けて帰らなければならない。この世界は通り魔爆発発砲なんでもござれ。死因の宝石箱や〜(棒読み)


「今日はて、テスト勉強をしなきゃいけないので早く帰っていいですかね」
「高校はまだテスト期間じゃねーだろうが」
「か、課題がちょっと…」
「…仕方ないわね」


私が教えてあげるわ、さっさと帰りましょうという死刑宣告をくれた灰原さんと口論になる江戸川くん。その横にいる私は恐らく漫画的表現で言うと真っ白になっていたと思う。つまり家に来るということですねわかりません。
そう、何を隠そうこの灰原さんのクーデレ、デレが私の死に直結してしまいそうな物なのであった。あからさまに距離を置こうとする私のどこが気に入ったのか彼女はちょくちょく連絡をくれる。正直可愛らしいな、みたいな感情がないわけではないのが辛い。仲良くなれたらなりたかったよ…。
最終的に江戸川くんの家で私の勉強の面倒を見る会みたいなのが開催されるということで話がまとまっていて、阿笠博士に大いなる八つ当たりを結構しようと心に決めた。死にたくない。


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「おっ名前か!俺や俺!」
「オレオレ詐欺は間に合ってます」
「さっすが名前、大阪人のノリがわかっとるなあ」


私の殺意しかない声を聞いて流石なんて返されたらもう成す術がないよね。何で若干嬉しそうなのかを小一時間問い詰めたい。いや小一時間も会話したくない。期待していた答えを私が喋ってしまったってこと?私の大馬鹿野郎…と自責の念を込めて自分をビンタする。最近何をしても裏目にしか出ていないのは誰かの呪いでしかないと思う。
今日は江戸川くんと灰原さんのコンボでもうHPもMPも0なのでこれ以上の追い打ちは本当にしんどい。しんどいのに電話口の男は聞いてもいないことをペラペラと喋り続けている。適当な相槌しかうっていないのにそれでいいのか貴様は…。


「ってなわけで今度そっち行くわ」
「あーはいはい」
「案内は名前に任せたで、ほな!」
「あーはいはい、…はい?え、ちょっと待って服部くん、待てや!」


聞き捨てならないセリフと共に切れた通話。もうどこにも繋がっていない携帯をベッドに投げたのは仕方がないこと。私の記憶がスポンジでなければあのガングロ今度こっちに来るって言ってなかった?事件の臭いしかしないよね?嘘でしょ?
もう神様が積極的に原作に関われって言ってるみたいで渇いた笑いしか出てこない。嫌です。