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13*

 くち、とやけに粘着質な水音が耳の中でこだまする。差し込まれたあったかい舌がなんどもわたしのを突いて、息ができない。そもそもこう言う時の呼吸は鼻でするのか口でするのかすらわたしには分からなかった。ぐるぐると回ってしまいそうな目と沸騰しそうな頭はひたすら目の前のしげるくんを見つめることに一生懸命になっていて、いっそ目を閉じてしまいたいくらい。
「ん、ぁ、は」
「……名前さん、舌」
 離れたと思ったらまたすぐにくっついて、口内を蹂躙する舌は段々とわたしの意識に火を灯していく。奥の方で硬くなってしまっていたわたしのそれは気づいたらしげるくんの口内にお招きされていた。動物同士のような貪りあいに脳の奥がぐらぐら揺れた。あつい、あまい。注ぎ込まれた唾液をのみ下すと不思議と甘いそれに知らずのうちに下腹部がきゅぅと音を立てた。
「しげ、く……もう」
 やめて。そう言おうと思ったのに、しげるくんはやめてくれる気配なんかなくて、むしろその逆。わたしのその言葉を聞くなり彼はべろりと耳を舐め、息を吹き込んで、わたしの快感を煽っていく。ぞくぞくと体を震わせたわたしを面白そうに見つめ、くつりと笑らったしげるくんが悔しいくらいに可愛くて。
「名前さん、年上なのにこう言うことは下手なんだ」
「だ、だって、したことないもん、こんなえっちなこと」
 5つも下の男の子に翻弄されっぱなしで、なんて情けないのやら。いつのまにか覆い被さられていたしげるくんがおもむろにシャツを脱ぎ出した。痛いくらい白い肌に黒いタンクトップ、泣きたくなるような羞恥と快感の狭間でにやりと笑ったしげるくんはおよそ13歳だなんて思えなかった。
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