ちいさな美意識

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遠くまで見渡せる
透けて光の色が届く

握り締めた宝物は
ずっと透明なままです

割れそうに震えながら
音をたててみても
ひびさえ入らないような
かたくなな透明さです

大切にしすぎて
うまく飲み下せずに
いつまでも輝くものだから
距離のあいた水晶体と
喧嘩してばかりいます



そのうち濁ってしまって
延々と続く坂道を転がり始めて
届かなくなる前に砕けたいわ

内側の屈折を取り払って
ただしいをただしく受け取って
淡くやわらかく泣きたいわ