零地点にて *** 毎日は暮れてゆくもので 鳥籠はからっぽになるもので あなたは去ってゆくものだ ひたすらに散々と終わりだす あたりまえたちの包囲網で 今は大切なひとつを追う 腫れた目をこらして 逸らさないように 二度と失くさないように 同じ理由で泣かないように 追悼歌ばかり口ずさんでいた あのかなしい小鳥はもう居ないから さようなら、も おかえりなさい、も 云いたくなかった全部ごと ずっと忘れていられるように 夕陽が目を焼いたって 止まり木が寂しく揺れたって あなたがどこかで微笑んだって 忘れたのだから思い出さない わたしたちは何も悔やまなくていい ← |