分け合う体温/玲流




ライブを終えて、打ち上げもそこそこにタクシーで自宅に帰って。
コロンはペットホテルに預けてるし、明日少しでも時間あったら見に行こうかな、まだ遠征あるから預けておかなきゃいけないけど。

ライブ後の疲労感に襲われながらも、れいたと2人、交互に風呂に入って寝る時に着るスウェットTシャツの姿になってソファに倒れ込む。


背凭れに俯せに身体を預けてれいたが出て来るまでダラダラとソファでやり過ごす。
付き合い程度にちょっとアルコール入ったから、疲れてるけど頭はふわふわする感じがする。


風呂から上がったれいたが、俺の隣に座った。
れいたの重みでソファが沈む。

隣にいるれいたに視線をやると、頭からタオルを被って背凭れに凭れてた。


れいたは風呂上がりには上半身裸のままで。
鍛えまくった俺とは違う身体だった。

まぁいつも見てるから微妙な変化はわかんねーけど。
昔よりかは更に逞しくなった、気がする。


スウェットまで腰パンかよって状態のれいたに近寄って。
のっそりと起き上がって、れいたの足へと跨がる。


そしたられいたがタオルを頭から退けて、目を細めて俺を見上げた。


「何だよ」
「んーん、れいちゃん今日も格好良かったね」
「それはお前もだろ」
「ふふ、当然」


濡れたれいたの髪を掻き上げた時、やっぱブリーチしまくってるから酷ぇ手触りだな、と思いながら撫で付ける。


ライブの時とは違う、素の表情は柔らかくて。
つーか、普段のれいたは優しいし雰囲気も尖って無い。

一緒にバカな事を言い合える。
だからこそ、ステージに立つ姿がより格好良く見えんだけどね。


「ちゃんと拭けよお前。風邪引くぞ」
「上裸の奴に言われたくねーよ」
「俺は鍛えてるから大丈夫なんだよ」
「あぁ、バカは風邪引かないって言うもんね」
「ンだとコラ」


れいたが俺の頭に手を伸ばして、わしゃわしゃとタオルで髪を拭かれた。
視界が遮られて、開けた先には自分の濡れた髪と、れいたの顔。


「…ルキがこう言う風にツートンにすんの、珍しいじゃん」
「あー…気紛れ?」
「そりゃー、ルキだもんな」
「何だそれ。お前だって結構変えてんだろ」
「おぅよ。格好良いだろ?」
「はは、れいちゃん超格好良いー」


れいたに前髪を掻き分けられて、耳から首筋へと撫でられて。
引き寄せられてれいたの首に腕を回してそのままキスをする。

唇に吸い付いて、軽いキスを繰り返す。


ツアーお疲れ様って意味を込めてね。


「はー…北海道行く荷造りしなきゃなー…」
「前乗りするんだっけ」
「そー。コロンとなかなか会えねー」
「お土産にジンギスカン買って来るか」
「コロンにそんなモン食わせねーよ」


れいたの額に額を合わせて溜め息。
髪乾かしたり、荷造りしたり。
まだまだ寝れそうにねーな。


れいたの手が、俺の背中を優しく叩いた。


れいたに跨がったまま、その心地好いリズムに寝そうになる。
でもやらなきゃいけない事もあるし、寝られねーからちょっと身体を起こしてれいたを真正面から見つめる。

俺の身体を抱く腕に手を這わせる。
筋肉質で男らしい、大好きなれいたの腕。


「…はー…お前って無駄に筋肉付いてんだよ」
「そりゃー鍛えてっからな」
「俺もこうなんねーかなー」
「もう今更だろルキは」
「失礼だなお前」
「いやだって、なぁ」


胸襟から腹筋まで、れいたの素肌を撫でる。
楽しそうに笑うれいたに眉を寄せて、呼吸と連動して上下に動くのを見下ろす。


ちょっと身体をずらして、首筋や胸元に吸い付いて。
剥き出しの乳首に舌を這わせるとれいたの手が俺の腕を掴んでソファに押し倒して来た。


「お前眠ぃんじゃねーのかよ」
「れいたの身体好きだから仕方ねーじゃん」
「そうかい。俺としてはこの誰かさんのTシャツを脱がせたくて堪んねーけどな」
「ふふ、超格好良いでしょ」


俺が着てたTシャツをれいたに脱がされて。
れいたの唇が降りて来るのを受け止めながら素肌同士の感覚が気持ちいい。


どうせ疲れてんなら、とことん疲れさせてよ。

ファンに見せない、俺だけの顔で。




20120811



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