るき@※/京流




その日にや祝いた無いやん。
何か、待ってましたって言わんばかりやし。
まぁそんな事を考えて、1日は絶対無視で、次の日にプレゼントやるとか。
それも考えてました的な感じがして嫌やけど。

まぁ、るきもるきで、誕生日やからってギャーギャー言う歳でも無いし、特別何も言うて来んかった。


「オラ、やるわ」
「え?」


もう2日も終わるやろって時間。
お互い仕事が終わって、シャワーを浴びて後は寝るだけ。

そん時、るきに小さい箱を投げて寄越した。
突然の事でおぼつかん手でそれをキャッチし、心底不思議そうな目で僕と箱を見比べる。


「誕生日やから」
「え…覚え、てたんですか?」
「や、忘れとったから今日買ってん」

ほんまは覚えとって前から買っとったけど。

「京さんが買ってくれたんですか!?」
「僕以外に誰がおるん」
「え、や、そうっすけど…マジですか!もう俺忘れられてるってかまぁ京さんがいればそれでいいかなって思ってたんでまさかプレゼントくれるなんてめっちゃ嬉しいです!」
「煩いわ。気紛れで買ってん」
「嬉しいです有難う御座居ます。開けていいですか?」
「ん」


何か一呼吸もせずに喋るるきに若干呆れ気味になりながら、まぁコイツ僕ん事好きやし、しゃーないかって納得。
その僕がるきの誕生日に他意は無くプレゼントやで。
有り難いやろ。

綺麗にラッピングされた、プレゼント用の包装を丁寧に取っていき、箱を開けるとるきの目が一瞬驚く。
すぐに嬉しそうな顔んなったけど。


「すっげぇ格好良いです!有難う御座居ます!」
「ちゃんと付けぇよ」
「はい!」


るきにあげた僕好みの、わざわざ探した一点物のピアス。

それをいそいそと、一番上のピアスを外して僕のあげたんと付け変える。


「どうですか?」
「ん、似合うで。僕が買ったんやから」
「よかったです有難う御座居ます。あーやっべ、すっげぇ嬉しすぎる」
「うっさいわぁ…」


あからさまに喜ぶるきを見て、苦笑いをしながらもまぁ買ってよかったなって、ピアスを見ながら思う。

アレや、犬には飼い主がおるって証の首輪が必要やん?
えぇ首輪が付いたわ。


「京さん好きですマジ愛してます」
「はいはい。無くしたら殺すで」
「無くしませんよ!もうずっと付けてます」
「当たり前やん」


首輪外した時は飼い主おらんくなる時やろ。
まぁ、そんな時無いけど。


「今日は体位何がえぇ」
「え?」
「セックス。今日だけ聞いたるわ」
「え、え、マジすか!」
「早よ言わんと知らんで」
「えッ、あの、正常位で名前呼ばれてキスするのがいいです!」
「………」


なん、その細かい指定…。
セックスってその場の気分や無いの…つーか体位しか聞いてへんのやけど。

めんどくさなって来た。

コイツって実は女々しいっつーか、思考ちょっと女寄りちゃうん。


「却下。めんどい」
「えぇッ!?」
「お前いちいち女々しいねん」
「い、いじゃないですか!誕生日なんですから!」
「いや、誕生日昨日やろ。今日は平日やで平日」
「………」


はッ、納得いかへんって顔と、落胆した顔が混ざった表情。
何なん、それ。
おもろいやん。

まぁ、ぐだぐだ言い合いするんもめんどいから。


「うぁ、京さん!?」
「オラ、早よヤるで」
「ちょ、ま、ムードとか無いんですか」
「今更そんなんガタガタ抜かすなや」


るきの腕を引っ張って、ベッドルームへと引きずる。

ムードとか。
僕らの間に不要やろ。

るきの身体をベッドに投げるとスプリングを弾ませてシーツに落ちた。
僕が乗り上げると、るきの期待した目と目が合う。

この淫乱。






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