いつものように俺と京子の帰り道、京子がいきなりこんな事を言い出した。

「ねー承太郎? 実はね、うちのパパとママが今日から旅行に行っちゃってるの。」
「それがどうした。」
「うん、その...一人じゃ寂しくてね・・・明日には二人とも帰ってくるから、夕方だけうち来て?」
「はァ?」
「夕ごはんは私が作るからさ〜」
「やれやれだぜ。」
正直京子の手料理が食えると聞いて了解したというのもあるが、それはこいつには秘密だ。


初めて入るアイツの家。
玄関には俺と京子の脱いだ靴しかないことから、本当に両親共に出掛けているようだ。
つまり今この家には俺とコイツの二人きりってことだ。

「とりあえずテレビでも見ててー。私は夕ごはんの準備するから。」
「おう、頼んだ。」

俺が学ランを脱いでソファーに腰掛けながらテレビを観ていると、京子がキッチンの奥から何か言っている。
だが全くテレビの音で聞こえねぇから俺からキッチンに入って行ってやった。
すると目に飛び込んできたのは制服の上にフリルが付いたピンクのエプロンをした京子だった。

「何か言ったか?」
「あ!きたきた!承太郎、夕ごはん何食べたい?」
と楽しそうにあいつがきいてくるので、少しの出来心から
「テメーだ」と答えてやると顔を真っ赤にしてバカだの最低だの言ってきたが、悪ィー悪ィーと謝ってから頭を撫でてやるとフンっとまた冷蔵庫の中を探り始めた。
「ん〜この食材だとハンバーグってとこかな。」
「ハンバーグは好きだぜ。」
「ほんと!じゃあ決定〜」

そう言うとさっそく野菜を刻み始めた。
コイツのこういう嬉しそうな笑顔が俺は好きだ。他の誰にも見せたくないと思うし、俺だけに向けていて欲しいと思う。

そんな独占欲からか、俺の腕は無意識に京子を後ろから抱きしめていた。
「てめーそんな男を誘惑するようなカッコしやがって。」
こいつは耳元がかなり弱いとよく知っているからわざと耳元で息がかかるように囁いてやった。

「!?んっ・・・やめっ」
耳に俺の息がかかるのを感じたせいか、京子の膝の力が抜けそうになったので、俺は後ろから片腕をこいつの腰にまわしグッと自分の方へ抱き寄せた。そして優しく耳たぶを甘噛みしてやる。
「っじょうたろ!耳は・・・やっ///」
「本当に嫌なのか?お前、本当は耳好きだろ。顔が真っ赤だぜ。」
そう言って耳に軽くキスをした後、ぺろりと舌先で舐めてやった。
「っんぁ// も、もう!!今お料理してるんだからね///」
「そんな潤んだ目と上気した顔で言っても誘ってるようにしか見えねぇぜ?」
くつくつと喉で笑いながら意地悪っぽくそう言ってやると、京子に腹を肘で小突かれた。
「っ痛ェ...だが親がいねぇテメーの家に俺を連れ込むなんざ、襲ってくれと言っているようなもんじゃあねぇか。ましてやそんな格好しやがって。」
「だから・・・そういうのは、その。...で」
「あ?」
「っ後で....」
「フッ。言ったなてめぇ京子。」
「に、二回も言わせるな///」
「そうやって顔を真っ赤にして恥ずかしがるのもかわいいぜ。まぁ時間はたっぷりあるしな。」
「承太郎のバカっ!変態!」




P.S 続き書きたいなーなんて思ってます笑


≪ | ≫

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -