俺は今 近くの店に買い物にきている。
給料入ってクソ親父の
借金の今月返済分も払った後の
すっきりした気分を
味わいながらする買い物って
なんか楽しいんだよな。


買う物が揃い、レジに並ぶ。

(…あれって まさか)

列の2つ前の後ろ姿に
見覚えがある。
いや、そんなもんじゃない
はっきり分かる!

俺の会計が終わった後も
まだ買った物を袋に入れてたから
後ろから声をかけてみる。

「海馬」

作業を止めて 海馬がこっちを向いた。

「凡骨か」

「海馬も買い物するんだ」

必要な物は全部 取り寄せてると
思ってたから、結構意外だな。

「貴様のことだ どうせ俺は必要な物は
取り寄せているから買い物など
しないと考えていただろう」

「すげぇ ドンピシャだ」

「ふん 大体予想がつく」

「そうだ! 一緒に帰ろうz…」

「声が大きい!
…それくらい分かっている」

「よっしゃ」

買った物を袋に入れ終わると
俺と海馬は一緒に店を出た。

「そういえば 海馬は何買ったんだよ?」

「そんなこと いちいち
教えないでも良いだろう」

「なんか気になるんだよ 意外だった
だけに」

「断る」

「お願い!」

「断る」

「じゃあレシート交換しようぜ!
そしたらおあいこだろ」

「しつこいぞ」

「ヤるのと交換とどっちにする?」

最終手段を使った。
これは交換しかないだろうな

「っ 貴様…!//」

「なぁ どっち?」

チッと軽く舌打ちして
海馬が財布からレシートを取り出した。

「勝手にしろ」

「ありがとう」

折り畳まれたレシートを開こうとした時、
海馬に頭を小突かれた。

「いてっ!」

「交換だろう 貴様のレシートも渡せ」

「…忘れてた」

俺も財布からレシートを
取り出して海馬に渡した。

「ほらよ」

「交換成立だな」

俺と海馬は歩きながらお互いの
レシートに注目した。

「うわ…さすが金持ち」

海馬が買った物は
恋愛教本 五巻\890
ドンペリ\870
ドンペリ\690
黒板引っ掻き機\1580

「ドンペリ2本も買うとか
高級感ありすぎだろ」

何の返答も無い。
海馬を見ると俺とレシートを
交互に見る作業を繰り返している。

「どうした?」

「凡骨…貴様…」

なんか海馬が すごく遠い目で
俺を見てるんだけど…

「何?」

「そういう趣味に走ったか…」

「はい?」

「貴様の買った物を見る限り
そういう趣味だろう!」

「違う違う 俺は変な趣味ないから」

「なら どう説明するのだ
この奇妙な買い上げた物を」

俺が今日買ったのは…
セーラー服\440
水晶ドクロ\870
黒板引っ掻き機\1380
生理用品\590

「水晶ドクロは部屋に置く用」

「部屋に置くのか
非ィ科学的オカルト儀式用ではないのだな」

「あのなぁ…俺がオカルト系
苦手なの知ってるだろ」

「では生理用品は?貴様 まさか本当は…!」

「ふたなりじゃないですよ バカイバ君」

「なら 何故こんな物を買った」

「激しくしすぎて海馬の孔が切れて
血が出た時とか学校で襲った時に
中のが漏れて他の人にバレるのを
防ぐ用だけど」

「必要になるような事は するな」

「え〜」

「何が『え〜』だ! 迷惑を被るのは
俺ばかりではないか!」

「ちっ 確証は持てねぇけど分かったよ」

「確証を持て では黒板引っ掻き機」

「黒板をめちゃくちゃにして
授業を潰す用」

「最後に最大の謎だが…セーラー服」

「海馬に着せr」

「もういい分かった」

「な?変な趣味なんて無いだろ」

「セーラー服以外はな」

今度は俺のターンだ!

「なぁ このドンペリ安すぎねぇ?」

「そうだな 9千円以上
安くなっているのは驚いた」

「怪しいとかは
思わなかったのか?」

「ああ 今までに飲んでいたのと
変わらないラベルだったからな」

「この金持ち! じゃあ俺と同じ
黒板引っ掻き機」

「貴様の凡骨黒板引っ掻き機より高級品だ
同じにするな」

「200円差で高級品って言うか?
で、買った理由は」

「黒板を引っ掻く音でまとわりつく煩い
女子共を追い払う為だが」

「うわ ひっでえ」

「当たり前だ 貴様以外など眼中にない」

「お おう…ありがとう」

(愛の爆撃 落としやがった…//)

「最後は本の事だろう」

「ああ」

「それは、だな///」

理由を言う前から赤くなってきてる。
期待大だ

「それは?」

「…………からだ」

「ん?」

「……の…愛を……からだ!///」

「もうちょい大きい声で」

すうっ と海馬が息を吸い込んだ音がした。

「貴様との恋愛をつまらないものに
したくないからだ!!////」

海馬の声が響く。
電線に留まってた鳥も飛んでった。

「ここまで大きな声を出さんと
分からないのか凡骨め!///」

「いや 本当に二回目までは
小さすぎて聞こえなかったんだよ」

「そうか」

「けどさ わざわざ教本なんて
必要ないんだぜ?」

「何故だ」

「分からねぇ?」

「…分からん」

「そんな物無くったって
十分すぎるくらい楽しいから」

「…なるほどな////」

話しながら帰ってるだけでも
これ以上無いくらい楽しいんだからさ。

「たまには買い物も良いものだな」

「それって今日俺に会ったから?」

「い、いちいち聞くな!!///」

あぁ、本当に楽しい。

思わぬ収入があった 今日の昼下がり。

(終)

まるてい様のサイトにあった
買い物画像をネタとして書かせていただきました。
ギャグにするつもりだったんですが…
甘くなりました
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