守れなかった約束があるんだ。
その約束を果たすまで、
僕は空に還れないんだ。
少年を縛る鎖は
硬く、重く少年を地に
束縛していた。
今日も少年は
一人 最期の瞬間を迎えた場所で
空を見上げていた。
同じ空の続く場所にいるはずなのに、
いつまでたっても見つからない
約束をした相手。
約束を果たすことが
できなければ、少年も相手も
空に還ることはない。
いつまでもいつまでも
地上に束縛されるだけだ。
ある程度の所までしか
鎖が伸びないうえに
飛ぶこともできない。
(誰か、僕に気付いて…僕を手伝って…)
少年は今日もさまよい、祈る。
相手が見つかることを。
自分と共に相手を探してくれる人が現れるのを。