やっと授業が全て終わり、
残すは帰りのホームルームだけとなった。


「アテム 本田君と城之内君から帰りにゲーセンに
寄らないかって誘われてるんだけど君も行く?」

いつもなら
即OKしていると思うけども
今日だけはそうもいかない。

「悪いな、相棒
今日は大事な用事があるんだ」

「うん分かった!本田君達には そう言っておくね」

「ありがとな」

「ううん アテムも頑張ってね」

相棒はウインクをすると
早速 本田君達に連絡していた。

えー、という本田君と城之内君の残念そうな声が聞こえて
少し罪悪感を感じ、苦笑いをした。


校舎を出ると
俺は裏門に向かった。
裏門から帰る人は滅多に
いないし、俺もいつもなら正門から帰る。

今日に限って裏門に
行くのは、

裏門の側の木の陰で
きっと辺りを
キョロキョロと見回して
いるであろう人との
約束があるからだ。


(やっぱりな)

やはり その人は
木の陰で辺りを見回していた。

「海馬」

「…貴様、遅いぞ」

声をかけると
海馬は少し不機嫌そうに
答えた。

「いつも辺りを見回してるな
誰も来ないのに」

「あくまで今までの話だろう
貴様は油断し過ぎだ」

「裏門でキョロキョロしてる海馬は
端から見たら変人だぜ?」

「う、うるさい!
大体 只でさえ世間から
白い目で見られる関係だというのに…」

「それを分かってて
OKしたのは海馬だろ?」

「えぇい黙れ黙れ!!つべこべ言わずに早くしろ!////」

「そう焦るなよ海馬(笑)
ほら 早く行こうぜ」

そう言って手を差し出すと
黙ってそっと手を繋ぐ海馬の
仕草が可愛くて
つい頬が緩む。

用事とは
海馬と一緒に帰る事で、
俺と海馬の関係を
知っているのは
今のところ 相棒だけだ。

海馬が学校に来れた日は
いつもこうして
一緒に帰っている。

ちなみに今日は一ヶ月の
記念日でもある。
(海馬は忘れてるだろうけどな;)


他愛もない話をしている
内に、
いつの間にか海馬の家の
前に着いていた。

「それではな」

海馬はいつもの通り
すぐに帰ろうとした。

「待てよ」

海馬の腕を掴んで
引き止めると
海馬は驚いたような
顔をした。
そのまま引き寄せて
触れるだけのキスをした。

「な…な…!////」

海馬は顔を真っ赤にして
口をぱくぱくさせている。

「海馬 今日は何の日だ?」

案の定 海馬は忘れている
ようで
考え込んでいた。

「今日は一ヶ月の記念日なんだぜ」

「…! そうか」

「忘れてただろ?」

「…すまない」

「これからは忘れるなよ?
来月からはファーストキスの記念日でも
あるんだからな」

「ふん…分かっている」

海馬は少し微笑むと
ではまたな、と
帰っていった。

一ヶ月で手を繋ぐように
なって、キスもして。

「これからが楽しみだぜ」

一ヶ月の記念日
それは
ファーストキスの記念日
にもなる特別な記念日に
なった。

(終)

まるてい様からの777hit
キリリクで「闇海小説」
でした。

そういえば これ初めて
書いた闇海だなぁ…
闇海になってる…かな?

拙い文だとは思いますが
よろしければ
貰ってやって下さいまし!
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