誰か助けて

いやもうマジで無理だって

お願いだから…お願いだから俺をリタイアさせてくれぇえええ!!!

*イメージ逆転*


とある平日。
W遊戯と俺達2人のいつものメンバーは開校記念日を利用して某有名テーマパークに来ていた。

「うわぁ すごいジェットコースター!乗ってる間は足がぶらぶらした状態みたいだよ」

「相棒は軽いから吹っ飛んでいかないか心配だぜ…」

「何言ってるんだよ 吹っ飛んでいく訳ないじゃん」

「ずいぶんと遊戯に冷たく当たられているものだな」

「俺は海馬に冷たくなんかしないからなvV」

「きっ 貴様!公の場でくっつくな!離れろ凡骨!!///」

「愛されてるな海馬(笑)」

「黙れ性悪ファラオが!!」

「せっかくここに来たんだから口喧嘩してないで早く乗り物乗ろうよー!」

「ふん 良いだろう性悪ファラオなどにこれ以上付き合っていられん」

「じゃあ僕あれに乗りたいな!」

遊戯が指差したのは初めに見えた足が付かないジェットコースターだった。

「おう!面白そうじゃねぇか!」

「ふぅん…」

「相棒 吹っ飛ぶなよ!」

「だからぁ 吹っ飛ばないって」

いつもは余裕で待ち時間が三時間を超えるこのアトラクションが平日だからか今日は30分待ちで乗れた。

「相棒 レバーにしっかり捕まってろよ!」

「もう…分かってるよ!」

「海馬 落ちるときに一緒に『俺達はラブラブだ』って叫ぼうぜ」

「誰が叫ぶか!!///」

「それでは発進いたします 行ってらっしゃい!」

スタッフの人の台詞と一緒にジェットコースターが走り出した。

「うわっ 速いな!」

「なんか飛んでるみたいだね」

「あああ相棒 こここれ俺落ちっ…落ちる!」

「大丈夫だよ…」

「古代エジプトには無かったから狼狽えているのだろう 情けない決闘王だ」

少しスピードが落ちたかと思ったら定番の坂を登り始めた。

「海馬 『俺達はラブラブだ』だからな!」

「そんなこと知るか!//」

「あああいっ 相棒! こここんなたっ…高さから俺達は落ちるのか!?」

「だから大丈夫だって…」

「けどあい…」

アテムが相棒と言いかけた瞬間、ジェットコースターは坂を急降下した。

「AIBOOOOO!!!!」

「うわあああああ!!!」

「俺達はラブラブだぁあああ!!!!」

「ぉ…ちは…ブだ…!////」

微かに聞こえた海馬の言葉に気づいて海馬の方を向くと顔が真っ赤だった。

「ちゃんと聞こえたぜ 海馬」

俺が言ったことが聞こえたのか海馬はこっちをチラッと見て さらに顔を赤くした。

「あー 面白かった!」

「最高だったな!」

「悪くはなかったな」

「たっ たた楽しかったぜ…」

「無理をするな 顔に出ているぞ」

「アテム お前死にそうだぞ?」

「ゾークより怖かった…」

「古代エジプトの怖さは比にならないよ」

「貴様の想像を遥かに越えたものだからな」

それから俺達は乗り物系を制覇していった。

「乗り物系は さっきので最後だったみたいだよ」

「よ…良かっ…たぜ…」

「なんかアテム また冥界に行きそうだな(笑)」

「行った方が うるさくなくて良いわ」

「あとここで有名なのは…この『戦慄迷宮』ってやつだね!」

俺は その名前を聞いて硬直した。
みんなが知っている通り
俺は運は良くても大のホラー嫌いだ。
ホラー映画はもちろんできるだけ避けるけど お化け屋敷なんて常に避けている。
戦慄迷宮ってそのお化け屋敷のトップだぜ?
ギネスにも世界最長のお化け屋敷って登録されてるんだぜ?
リタイア口が何個も有るほど怖いんだぜぇえええ!?
俺 今から冷や汗出まくるんだけど…

「どうしたの城之内君?」

「そういえば城之内君は怖い物は苦手なんだったよな」

「いや苦手なんてレベルじゃ…」

「なら入らないと言うのか?貴様それでも男か!俺に言ったはずだ『いつも側にいる』と…なのに貴様は俺に一人で行けと…(うるうる)」

「苦手なんてレベルじゃねぇよ!むしろ反対!全っ然 平気だぜ!」

「…言ったな?」

俺は そこでハッとした。
俺 今とてつもなく大変な事を言った気が…

「なら行くぞ 早くしろ凡骨」

「え ちょ…ちょっ!」

俺は半分強制的に海馬に引っ張られ 中へと連れていかれた。

「海馬〜 出ようz…」

「断る 俺にあんな恥ずかしい台詞を言わせた罰だ 貴様も恐怖を味わうがいい…」

暗い雰囲気のせいで海馬の言葉にいつもより圧力がある。

「海馬…怖い」

「手を繋いでやっているだろうが ガキか貴様は」

「怖い物は怖いっt」

廊下の曲がり角を曲がった瞬間、医者のオバケが出てきた。

『ギャアアアアア!!!!』

俺と海馬は二人三脚並みに息の合った走りで曲がった先を走った。

「海馬って意外と怖がりだな」

「凡骨には言われたくないな それに俺は別にオバケなどに驚いた訳では無い…貴様の声に驚いたのだからな!」

「…今のツンデレ?」

「とにかく先を急ぐぞ 早くこんな所を出たい」

「お おう!」

廃病院の設定なだけあってナースステーションや病室がリアルに作られている。
手術室の前まで来ると廊下が終わっていた。

「ここ入んないとダメみたいだな」

「なら貴様が先に行け」

「いやいや海馬が先に行けよ」

「………2人で行くか」

「置いて逃げるなよ」

「海馬を置いて逃げられる訳ねぇだろ!」

「…ふぅん///」

「行こうぜ」

「ああ」

部屋の中に入ると手術室に置いてある器具が揃ったリアルな作りになっていた。

「思ったより狭いし これならすぐ出られるな」

海馬は少し安心したのか ふぅ…と息を吐いた。

手術台の横を通りすぎようとした時、寝ていた人形…いやオバケ役がいきなり起き上がった。

「!?」

「うぎゃっ!!」

相当びっくりしたのか海馬が抱きついてきた。

「海馬…//」

「はっ…ち 違うっ これは!///」

「分かってる 怖かったんだよなぁvV」

「黙れ!貴様の言い方はイライラしてくる!//」

「照れるの間違いじゃねぇの?(笑)」

「黙れ凡骨!!」

その後もオバケが出てくる度に叫びながら進んで行くと ついに出口まで辿り着いた。

「やっと ここまで来た…」

「これで終わりだな…」

出口を出ようとしたその時

「うぉああああ!!」

『ひぎゃああああ!!!』

最後の最後でオバケが叫びながら追いかけてきた。

「はぁ…死ぬかと思った…」

「貴様の声に驚いたわ…!」

「けどさ…海馬って意外に怖がりなんだな」

「貴様程ではない!」

「叫ぶタイミングほとんど一緒だったぜ?」

「うるさいうるさい!!///」

「そんな怒んなって じゃあアテム達は入り口の近くで待ってるみたいだから行こうぜ」

「…ああ」

海馬は入り口まで行く途中でも手を離そうとはしなかった。
(相当怖かったんだな…)

「あー やっと城之内君達来たよ」

「ふ…2人とも…おおお遅すぎ…だZE☆」

「2人とも遅いから僕たち乗り物二周してきたよ!」

「だからアテムが死にかかってるんだな(汗)」

「腑抜けたファラオだ」

「城之内君達は どうだったの?」

「俺達は…」

「「楽しかったぜ(ぞ//)」」

「あ そう…楽しかったんだ…」

それからは遊戯まで黙り込むようになった。
なんでかは良く分からないけど最高に楽しかったぜ!
(終)

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