「あー…可愛いなぁ…」


俺が昼間から萌えてる対象は海馬。

いつもの事じゃんとか言われそうだけど今は爆睡中なんだぜ!
俺の肩に頭を寄せて爆睡してる顔は いつもより少し幼く見える。

なんで今日 昼間から海馬が寝てるかってのは さかのぼること30分前…


「海馬…大丈夫か?」

「うるさい 仕事中に話しかけるなと言っているだろうが凡骨!」

そう言って海馬はコーヒーを飲もうとした。
けどカップを取ろうとした手はカップを素通りして積んであった書類に直撃して派手に落ちた。

「ちっ…」

「ほら言わんこっちゃねぇだろ 眠いなら無理すんなよ」

「貴様に言われずとも昼の分が終わったら寝る!!」

海馬は今日眠気のピークらしい。さっきからパソコンもウトウトしながら文字を打つために間違えたりサインも少しごちゃごちゃになったりしている。

「あとどれくらいなんだよ?」

「もうすぐ終わる…」

「眠気全開じゃねぇかよ(汗)」

パソコンの仕事を終えたらしい海馬はパソコンを閉じていつもよりゆっくりな動きでソファーに座っている俺の隣まで来た。

「お おいベッドで寝ないのかよ」

「凡骨の隣で寝たい」

それだけ言って海馬は俺の肩に頭を寄せて寝始めた。

「…ったく サラッとそんな可愛い事言うなよ…」


んで今に至るって訳だ。


「寝たら大人しいのになぁ」

(本人に言ったら怒鳴られるだろうけどな)

今の穏やかな寝顔の海馬には いつもの固い表情とかオーラは皆無だ。

「んっ…ぅうっ…」

色々考えていると海馬が寝言を言い出した。

「く…るな…ひぃっ…!」

悪夢を見ているらしい。
寝返りをしては逆の方向に寝返っている。

「はぁ…はぁ…うぅん…」

(ちょ…赤くなってて息が荒いとか この体勢で止めてくれよ!!)

頭がまた肩に乗っているから息が軽くかかる。

「うあぁっ…!!はぁ…はぁ…たすけ…っ」

海馬の手が俺の方に伸びてきた。
手を握ってやると悪夢が終わったのか また穏やかな顔に戻った。

と思いきや また海馬はうんうん唸り始めた。

(今度は どうしたんだ?)

「くそっ…手札…」

「デュエルの夢か?」

「ぬぬぬぬうぅ…」

(あぁこれ アイツとのデュエルの時だ えっと…シズ…シズ…)

「イズめ…」

俺は思わずソファーからずり落ちそうになった。

(違うだろ!海馬の対戦相手 場所じゃねぇから!)

「俺は貴様のモンスターで…」

(モンスターでオベリスクを生け贄召喚するんだよな)

「オシリスクを召喚…」

(こっちにシが入っちまうのかよ!!」

いつもは人やモンスターの名前を絶対間違えない海馬が寝言で間違えまくっている。

「さらにオシリスクを生け贄に…」

(お願いだ それだけは間違えるな…絶対間違えるなよ…)

「ブルーアイズ…」

「よし!その調子だぜ」

「ブラックドラゴン召喚…」

(融合させちまったよ!!)

その後も海馬はモンスターや人の名前を間違えて ついには
「俺のロードに勝利の二文字は無い…」
とか散々 毎日言ってるのに
「凡犬」
とか言う始末だった。


「相当疲れてんだな…」

海馬の頭を撫でていると海馬が目を覚ました。

「おっ 起きたか」

「ん…」

「よく寝れてすっきりしただろ?」

「…気分は最悪だ」

「なんでだよ?」
(多少見当はつくけど…)

「貴様に夢の事まで話す筋合いは無い」

(やっぱり夢か…)


今日 また海馬の新しいトラウマが分かった気がした。

(終)



社長をボケさせたかったんです…
出来心で…


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