素直
「総悟、飲み過ぎじゃない…?」
珍しく総悟が酔っていたので声をかけた。
今夜は真選組の皆で久しぶりの宴会。なんでも、松平のとっつぁんの痴漢疑惑が晴れたお祝いらしい。大袈裟だと思いつつも楽しんでいる私がいたりする。
「ねえ、総悟」
「何でィ、…ようやく俺の奴隷になる決心がついたのかィ」
「違うよ…あのさ、もう飲まない方がいいって」
「うるせェや、…ヒック」
完全に酔っている。なんか知らないけどかなり酔っている。
「おーいそこのお嬢さん、こっちに来てオジさんとあっちむいてホイやろうぜェ〜」
「…」
こんな状態の総悟を置いていくのは気が引けたけど、仕方ない。隊服を総悟の肩に乗せて、オジさんの元へと向かった。
「…疲れた」
非常に体力を消耗した気がする。総悟の所へ戻ると、彼は重たそうな目を開けた。
「総悟、大丈夫?」
「大丈夫じゃねェや」
赤い頬は相変わらずだけど、なんだか見るからに機嫌が悪そうだ。そのあとしばらく、総悟は何かを考えているようだった。
「もう、どこにも行くなィ」
「………え」
紅い頬、とろんとした目の総悟が突然そんなことをつぶやいたので、思わず息が止まった。
「俺は、おま…が居ない…と…」
総悟に好意を持たれていることに気付いていないわけではなかった。しかし突然過ぎて、混乱してしまっている。総悟がこんなことを口にするのは、酔っているせいだ。酔っているせいだ。酔っているせいだ。そう自分に言い聞かせても、心臓はドキドキドキ…とうるさい。総悟にも聞こえてしまいそう。
「…私、居るよ」
「今朝土方コノヤローの部屋に入ってったじゃねーかィ」
「それは書類出しただけなんだけど…」
「…じゃあ昼に山崎と話してたのは…何なんでィ」
「いや…あの…お昼カレーだったじゃん。で、カレーにりんごを入れる派?って話…」
「さっきだってとっつぁんの所に…」
「それは仕方ないでしょ」
「お前は俺のモンでィ」
お前が好きなんでさァ、と爆弾発言をして再び眠りにおちた紅い顔を見た私も、きっと負けない位紅い顔をしていただろう。あ、私、りんご入れる派…
わたしを素直にしたひとへ
(総悟、昨日言ったこと覚えてる?あれって…ヤキモチだよね)
(…お前、やっぱ奴隷決定)
(えええええ)
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kadafさまへ相互記念
相互ありがとうございます!大好きです!
タイトルは彼から彼女への言葉のつもり…です
title:確かに恋だった
(20090918)
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