その専らジャンプで散らかりきった部屋で私は腕を引かれていた。

「頼むよ、このとーり!!」

「いーや!!何で人の家の掃除を私がしなきゃなんないのよ!」

私は玄関に向かって歩こうとするが、銀ちゃんがそれを許さない。

「自分の家の掃除ぐらい、自分でしなさい!」

「だってさ、新八の奴。お妙と旅行だって…。神楽も、近所の餓鬼とどっかで遊びほうけてるし。ま、アイツは居ても役にたたねーけど」


銀ちゃんは、ハァーと大きな溜息を吐いた。


「自分で掃除するっつー選択肢はないの?」

「俺すぐジャンプ読み出しちゃうんだよ。分かんだろ?ちょっと、掃除中に出てきた漫画をぴらっと読んだら、先週号が気になってさー、どうせなら最初から読もう!ってなること」

この子はまた、何を言い出すんだ!!

「あるけど、あるけどさぁ!!銀ちゃん、もう一人前の男でしょ!!」


「やだね、銀さん頭はずっと少年だもん」

「団子食べた後、楊枝で歯の隙間を掃除している少年がどこにいんのよ!」

そう言うと銀ちゃんは、ああ、これ?と言いゴミ箱に投げた。

案の定、それは外れる。

「ちょ、待って今のな「ああー!!もうアンタは子供みたいな事しないの!!」


汚い事が綺麗好きな私は、その行為を見て腹を立てた。



「掃除すりゃー、いいんでしょ!」

「いぇーい」



罠にはめられた。


[*前] | [次#]
戻る