「……で、あんたの仲間について教えてほしいんだけど。…黒焦げになりたくないでしょ?」
「(わーッ!言う言う!どうせ麦野たちなら能力バラたりしたって負けたりしないわよね!?)」
「…3秒数えるわ、それまでに答えなさい」

襲撃者と対峙したフレンダは、最初は襲撃者を押していたようだった。
スタングレネードだったり金属リッパーだったりと、アイテムを使うのは上手いはずだ。
しかし、襲撃者がそれよりも強かったのだろう。
楓と超能力者ではないと話して、油断してしまっていたのかもしれない。
こいつは、楓や麦野に劣らない、超能力級の能力者だ。

「3、2、1…」
「(舌が痺れて、声が出せない…!?)」
「0…へえ、仲間を庇おうってんの?そういうの嫌いじゃないけど」
「(えっ、ちょっと待ってッ!!)」

カッ!!という閃光がフレンダと襲撃者の間を、遮蔽物ごと貫通する。
閃光の始点に立っていたのは麦野沈利、我らが『アイテム』のリーダーだ。

「危機一髪だったみたいね、フレンダ」
「フレンダ、大丈夫だった?」
「やっぱ先に始めちゃったのねえ」
「ギャラの配分考え直さなきゃねー」
「大丈夫だよフレンダ、わたしはそんなフレンダを応援してる」

笑顔になったかと思えば、手をついて落ち込んだりと忙しい様子でフレンダは確かに、もう負けないと心からそう思った。
しかし、麦野たちが来た瞬間、襲撃者の顔色が大きく変わった。
襲撃者の視線の先には楓。
信じられないといった表情で、その顔を曇らせる。

「…そんな、嘘、でしょ…?どうしてアンタが、こんなとこにいるの…?」

その問い掛けは麦野に向けられたものではなく、滝壺に向けられたものでもない。
結局のところ、楓に向けられたものだった。

「発電能力者って聞いてリベンジかな、って思ったんだけどね、まさか本当にあんただったとは」
「檸絽、アンタの知り合い?」
「ええまあ、わたしの尊敬するライバル…とまでは言いすぎかしら」

自嘲気味に鼻で笑い、そして頭を下げる。

「久しぶりだね、ずっと謝らなきゃなって思ってた」
「それは、…もう、いいから…私が原因、なの?…アンタが、そこに立ってるのは」
「いいや、この道を選んだのはわたし自身だから、あんたには微塵も関係ない」
「…だったら、どうして」
「ただ確実に、これが一番効率的だと思ったから。わたしだってまだ超能力者を諦めたわけじゃないもの」

#名前#は傘をくるくると回しながら、襲撃者の真横に風の刃を吹かせる。

「…っ!」
「でもわたし、あんたみたいな善人に、手を出すつもりもないわよ」

Great vs Super
(再会からの驚愕)

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03/13
どうでもいいけど御坂さんの私服はいむらーのですよね!


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