「怖い」と「恐い」


正直、俺はまだ「何か」を怖がっているのだろうか。いや、「恐がっている」の方が正しいのかもしれない。いつまでもたっても昔の恐がりは俺から離れてはくれない。


俺は昔から色々な「もの」が見えた。最悪な事に俺以外は見えていない「人」が。小さい頃は苦労した。どんなに居ると言っても大人も友人達も誰も信じやしない。今はもう誰にも言ってない。どうせ嘘だと言われるだけだ。見えても良い事なんて無い。

俺の通学路にも彼奴等は居る。悲しんでいる姿、自分が何故此処に居るのかよくわかってない奴、色んな奴がいる。

そのなかでも一番たちが悪いのが、あっち側へ連れて行こうとする奴。

最初にそいつ等を見たのは小学校の頃、友達とかくれんぼしていた時だ。
俺達はいつもは入っちゃいけない崖の近くで遊んでいたんだ。友達と遊ぶのが楽しくて俺は忘れてた。そこが彼奴等の集まる所って事を。

鬼役の彼奴が「もーいーかーい?」と大声を上げる声が聞こえてくる。俺達は「もーいーよー」と大声で言った。

俺と一人の友人が一緒の茂みに隠れていた。ふと隣の友人がひそひそ声で話しかけてくる。


「あいつ何してるんだ?」


友人が指を指した方向を見てみるとかくれんぼの鬼がふらふらと歩いていた。鬼役の彼奴が歩いている方向は誰も近寄らない崖がある方で、流石に危ないと思った隣の友人がその鬼役に声をかけた。


「おーい!そっちは危ないぞ!!」

「…ぁ……ぅが…」

「おい…あいつ、おかしくないか?」


俺も鬼役の彼奴を見てみると一気に血の気が引いた。鬼役の周りには俺しか見えない奴が沢山居た。鬼役の手を引き、目を隠し、笑いながら崖へと連れていくそいつ等。それを見た俺は胃の中の物をその場で出してしまった。それほどまでにそいつ等は気持ち悪かった。


「おい!?大丈夫か?!…っあ、」


隣の友人が声をもらし、そして震えだす。友人の見ている方向は鬼役の彼奴が歩いていった方向。俺も胃を抑えながら見ると、鬼役が居た。
だがそれはもう違うものになってしまった鬼役の彼奴が、だ。鬼役の彼奴は何が起きたのか解らず呆然としている。そして周りのそいつ等は不気味な笑顔を此方に向けながら口を動かした。


『ウラヤマシイ…ダカラ、キミタチモコチラヘオイデ…』


と、俺は此処に居たら危ないと思い隣の友人の腕を掴み走り始めた。友人は青い顔をしながら俺に腕を引かれていた。
ふと、後ろを振り返ると鬼役は泣いていた。鬼役の奴彼奴は此方を見ながら泣いていた。憎しみと悲しみが混ざった目を俺達に向けていた。それが急に怖くなって俺は前を向き走る。俺はもう振り返らなかった。


その後、崖の下からかくれんぼの鬼が見つかった。ただし頭や体がぐちゃぐちゃになった状態でだ。鬼役の母親が泣き叫ぶ。父親も泣いている。その近くで鬼役の彼奴がまた泣いている。俺は泣けなかった。鬼役の彼奴を見たら俺が何とか出来たんじゃないかと思うと悔しい気持ちの方が勝っていた。だが、この目を友人や家族に話した所で何になると言うのか。結局俺は何も出来なかった。話す事も、彼奴等に立ち向かうことも。



それからの俺はビクビクしながら生きてきた。彼奴等に会うと気持ち悪くて鬼役の彼奴を思い出す。今はもう慣れてしまったが幼い頃は大変だった。今も大変だが。

…ああ、また誰かを連れて行くのか。目の前で女性が連れて行かれる。俺は見て見ぬふりをする。
女性が目の前で電車に轢かれた。こんな風景はもう見慣れた。他人は悲鳴を上げたり、何かを叫んでいるが俺は何も感じない。きっと俺の顔を他人が見たら酷く冷たい顔をしているだろう。


恐い、怖い。心の奥では恐くてたまらない。早く人生なんか終わってしまえばいいのに。こうして俺の日常は過ぎていく。













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初めましての方も二度目ましての方もこんにちは。麗希と申します。

早速、申し訳ないです…。駄作だし、怖くないし、短いし、思想理ちゃんと被ってる気がするし…うわぁ…(( ̄_|
こんなぐっだぐだで良いのかと思ってます。はい、すみません。黙ります。

ここまで見ていただいた方!!本当にありがとうございます!!
では、次は呀紅夜ちゃん。この駄作がわかんなくなる位に良いの頼みます!!

ではでは…




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