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 乳白色の優しさ

「炬燵の中で氷菓子を食べるなど悪!」





冷え込む時期の一番のお友達、我等が炬燵様で暖をとっている私たちを見るなり、奴はそう言った。買い出しのために出ていた外はやっぱり冷えているらしく、鼻の頭と頬は赤くなっている。
それを無視して私はしゃくしゃくと木のへらで氷を削る。カップの真ん中に入った練乳は氷と混ざり、無機質な氷を優しい色へと変えた。

「いいじゃん、おこたとアイス。美味しいよ?」

ねー、いっちゃん。向かいに座るその人―お市だからいっちゃんである―に笑って問い掛ければ、同じように微笑んで返してくれた。うんうん、美人は目の保養だ。

「長政様…、あいす、美味しいよ?」

最愛の妻が小首を傾げて喋れば、旦那の赤い顔にはさっと朱が差して更に赤くなる。照れているのだ。相変わらず分かりやすい。
あーあーこのリア充どもめ、爆発しろ。
心の中で呟いて、アイスを削る。練乳と氷が混ざる。少しずつ溶けていく。

「いいじゃん、長政さまー、大人しくアイス食べちゃいなよ」

じっとりと睨んでやれば、やがて観念したようで。
ふん、息も荒く座り、アイスの入った袋を乱暴に漁りだす。そして取り出したのは、彼女と、市ちゃんと同じバニラアイス。

「夫婦お揃いかよ」
「なっ、これは市が……!!」
「長政様……」


「市、一緒で……嬉しいよ?」


いっちゃんの微笑みに、旦那様が更に顔を赤くして、私はそれを微笑ましく眺めて。



休日の午後はゆっくり過ぎていく。



乳白色の優しさ


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バニラアイスは乳白色に入るんでしょうか。それが心配です。



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