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――私がかすがちゃんを抱え、そんな私を佐助さんが抱え、マトリョーシカのような要領で佐助さんは私とかすがちゃんを甲斐の外れへと運んだ。
そこには花畑のような綺麗な景色があり、まさに女の子同士の話をする場所としてはうってつけの場所だった。
佐助さんは私達をそこで下ろすと、話の聴こえない場所まで遠ざかってから私達を監視する。
遠ざかる前に私は再三、忠告を受けた。
「いい?かすがに絆されて上杉のところに行くなんて間違っても言うんじゃないよ。かすがに何かそういうことを言われたら、すぐ俺様に言う事。いいね?」
「はい…って何だか私、子供のように注意受けてますよね。」
「名前ちゃんは幼子以下の警戒心しか持ってないからね。当たり前でしょうが。」
「あ、さり気に馬鹿にされました?」
「さり気じゃなくて堂々と馬鹿にしたけど。」
…絶対、佐助さんは性格悪い。
っていうか私に気があるっていうのは絶対、かすがちゃんの勘違いだと思う。
普通、気がある子をこんな風に苛めたりしないよ、絶対。