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――翌朝、すぐに通された2度目の広間で昨日もお会いした御館様と真田さんに再び会う。
…今度は元の姿の猿飛さんもとい、佐助さん(起きた時にそう呼べと直された。…何故。)と一緒だ。
昨日の一部始終が佐助さんによって語られ、私の能力の詳細が明かされる。
――どうやら殺意を向けられた相手を私は幼児化させてしまうらしい。
婆娑羅と呼ばれる特殊能力も何の殺傷能力も持たない姿に変えてしまうという。
更に元に戻るには口吸い(キスのことかな。)が必要だとか。
その話の末尾を佐助さんは自信なさげに付け加える。
「…俺様が経験しただけで他の奴に通用するかは分かりませんけどね。」
全ての話を聞き終えると、考え込んでいた御館様はある提案をした。
「なれば、他で試してみるとよかろう。名前、少し危ない目に遭わせると思うが、よいか?」
「……分かりました。」
この国の最高権力者にそう言われては何も言えないじゃないか。
この際、ファーストキスは幼児の佐助さんに捧げたのだから何も言うまい。
私は大人しく頷いたのだった。