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今夜も予想通りぬらりひょんがやってきた。手には父親の煙管。ああ、盗みやがったな。そういえばリクオもぬらりひょんの部屋を勝手に漁って煙管とってたな。遺伝か遺伝なのかそうかダメな遺伝子だなそんなとこ似ちゃダメだろリクオ良い人間になれる本に人の部屋を漁って何か盗みましょうだなんて書いてないだろおい。

「今日はわしの所に来てもらうぞ」

「……」

「安心せい。取ってくったりはせん」

「別の意味で食べられそう…」

「何じゃ期待しておるのか?」

「ふざけんな発情期!」

思わずビンタしてしまった。いや、うん。仕方ないよね!

「痛いのう…」

「14の小娘にそんな事言うんじゃねえよ」

「ほう…14なのか」

カミングアウトしちまったー!なんか自分ほんとバカだよなあ。

「ほれ、行くぞ」

「…何かアンタの女って思われそう」

「何を言っておるんじゃ。そうに決まっておろう」

「…じゃあ行かない」

「拒否は認めんぞ」

強引に抱き上げられて連れ出された。おいコラ人の話を聞きなさい。つか俺様すぎんだろ何が拒否は認めないだ。このイベント(?)だけは避けたかったのに。このままだとプロポーズされるパターンだよね。

「……」

正直に言えば、プロポーズを受けたい。けれど私は怖いんだ。愛したら愛した分だけ捨てられた時の悲しみが大きいから。

「着いたぞ」

考えていたらいつの間にか広間に入っていた。人ならざるヒトが皆こちらを見ている。ああ居心地悪い。

「ほう〜それが!!総大将が落とすために毎日かよったという京一の絶世の美女ですかぁ
〜」

そして一気に騒がしくなった。いや、ぶっちゃけ否定したいが母親がすごい超絶美人だったからなあ・・・自分のことだけど恥ずかしいから母親が褒められてるとでも思っておこう。

「ふ〜ん…」

あ、雪麗さんがすっごく見てる。怖い…目がすっごい怖い。睨まれてる。でも…やっぱり美人だなあ…。

「どうだカラス天狗」

「まいりました。ただの噂だとばかり」

「……妖だらけ…」

「心配すんな。みんなわしの下僕だ」

知ってます。生肝信仰でないことも知ってます。

「彼女〜箱入り娘なんだって!?」

「オレが遊びおしえてやるよ〜」

軟派男かおのれらは。つか時代的にもうちょい先じゃねそのセリフは。あ、でも納豆小僧かわいい。

「えっ?」

おもわず納豆小僧を持ち上げた。うん、かわいい。前々から思ってたけどさ。ニオイは気にしないとして何かかわいいよね。

「かわいい…」

思わず頬擦りしてしまう。うわあとかって言ってるけど気にしない。

「……李緒」

「妖、どうしたの?」

「何で納豆には自分から触れるんじゃ」

「かわいいから」

「わしだって!」

「アンタは発情変態ジジイでしょ」

「違うっ!」

私の渾名を聞いた牛鬼とかがぬらりひょんにすごい視線送ってる。カラス天狗に至っては私に無礼者と怒るべきかぬらりひょんに何をやったんだと説教すべきか迷ってるみたいだ。うん。面白い。特に牛鬼が。

「……李緒」

「うん?」

牛鬼を見て笑っていた私は忘れていた。この後ぬらりひょんが言うであろう言葉を。

「わしと夫婦になろう」

…さっさと逃げてれば良かった。





2013.02.27 17:02



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