(一段と寒い日でした。)



※ほの甘
※雰囲気













じんわりと、


重ねられた手が、あつくなる。


じんわりと、


胸の中心が、あつくなる。




「アマイモンくんの手、つめたい」

「僕は平気です」

「こんなにつめたいのに?」

「悪魔ですから、」




すごいね、なんて言って、きゅっと、僕の手を包む小さい彼女の両手に力がこもる。


熱がひろがる。



「でも、」



なまえが、僕の目を見る。

きれいなめ。



「でも、なまえがこうしてくれると、僕はあたたかいです」



寒さで、赤くなったなまえの鼻。

同じように今度は柔らかそうな頬が赤く色づく。

たべたいなあ。



「なまえ、赤いです。寒いですか?」

「さむくなんてないよ」



ぼふっ、と厚着したなまえが僕に抱きついてきた。

ひやりとしたすぐ後に全身に熱が灯る。



「でも、こうしたら、もっとあったかい」

「あったかいです、なまえ」



ぎゅう、と、うんと力加減をして抱きしめ返す。




ある冬の日の、

悪魔と少女の放課後の話。





【じんわりと、じんわりと、】



(君の熱が、あたたかく)
(僕をとかしていく)