(…sinken)



※最後までシない
※雰囲気でお楽しみください←












何も纏わない。素肌を晒した私の身体に彼はキスを落としていく。
晒したなんて嘘。晒されたが本当。
だって彼が私の服を、下着を剥いだんだもの。

「ふ…ぅ…、」

冷たい唇。
一つ、一つ、また一つ。
まるでその行為が、なにか神聖なことのように優しく触れる。
優しすぎるくらいに。
じれったい。もっと確実に触れてくれればいいのに。
悪魔らしく、貪ってくれたら、いいのに。
でもそれは、貴方で言うところの「紳士的でない」なんでしょう?

そうでしょう…?


「ーーーめふぃ、すと…」
「ふふ…何を考えているのです?」


綺麗に笑う悪魔。何もかも綺麗。
病的な白い肌も、私を見つめるその目も、総て。


「メフィストのこと、かな」
「ふむ。上出来な回答ですね」
「貴方がそうしてるんだから」
「ええ、そうですね」


お互いの素肌を重ねあう。
肌と肌がぴとりと密着しあう。お互いの熱が触れたところで混ざり合う。
私の小さな手とメフィストの大きな手も重ねあう。
指を絡めあって、お互いをお互いに縫い付ける。
なんて、心地良いのだろう。
そうですね。なんて、厭らしく弧を描いて笑った唇が私の唇に触れた。
あくまで紳士的に。
そんなキスではもう私は満足しない。


「ん…、ぁ……」
「…ふ、」


ベッドから少し頭を上げる。
それから、はしたなくメフィストの唇に噛み付けば満足げに笑みを零して薄く口を開いた。
舌を差し入れて精一杯の蹂躙。
ああ、こんなんじゃない。
私のしたいキスはもっと…、


「へたくそ」


一瞬離れた唇同士。
合間に紡がれた言葉は鼻で笑っていた。
もう一度唇が重なり合えば体重をかけてきたメフィストにまたベッドに縫い付けられる。
ぬるりと入ってきた彼の舌。
歯列をなぞれば肌が粟立つし、舌を吸い上げられればまだ触れられてもいない下腹部がぴくぴくする。
くちゅ、ってわざとらしく水音までたてて。彼は私の聴覚まで犯すの。呼吸なんかできやしない。


「んん…っは、はぁ」
「なまえ。これからする行為に、私以外を考える必要がどこにあるというのです?」


解放される片腕。私の太腿に爪を立てる。
痛い。痛くて気持ちがいい。
かと思うと、指の腹でやらしく、ねっとりと、だらしなく涎を垂らす秘部まで滑らせる。
キスだけで、こんなになるように彼が私に仕込んだ筈なのに、まるで元から私が痴女であったかのような目で私を見る。
なんて意地悪な悪魔だろう。


「め、ふぃ…ぁ、んぅっ」
「さ、私に溺れてしまいなさい」



嗚呼。彼は何を、ーー可笑しなことを言っているんだろう。



「…そ、…なの、 は、ぁっ とっ…く、」


とっくに溺れてる。

そう言えば、彼は一層笑みを深くして、私に自身の杭を打ち込むのだ。





【溺れながら、よがりながら、貴方に縋るの】


(そして、もっともっと、)
(深いところへ沈んでいく)



最後まで行く前に力尽きました(´・ω・`)
メフィは言葉責め好きだと俺得

ー補足
sinken(独語)
ズィンケン/沈む