(目隠し両想い)



*のほほん
*季節は不明










最近の私は変だ。何が変かって、私にもよくわからないけど変なのだ。


彼と目が合うと心臓が跳ねる。彼が微笑むとじわりと胸が熱くなる。名前を呼ばれればまた心臓が跳ねる。頭を撫でて誉められればそれはもう思考回路がショートしそうな程頭がくらくらする。



「――、なまえ」
「っ!!な、なに??!」
「フフ、声裏返ってるぞ」
「ぁ、うぅ……////」



ほら、ね。心臓がうるさい。体内を反響して聞こえるドキドキという鼓動。体から漏れ出して、彼…、ペンギンにも聞こえているのではないかと考えると恥ずかしくてさらに頬が熱くなる。


「ど、どうしたの??ペンギン」
「ん??ああ、そうそう。お前に船長から伝達だ」
「え??キャプテン??」


(直接言いに来れば良いのに…)


「なまえ、検診忘れてるだろう」
「…………あ」
「はぁ…、15時に船長室だそうだ。アイツ、機嫌悪かったぞ」
「ふぇっ!!??こ、怖いこと言わないでよぉ〜っ。うわぁ〜…行きたくないよぉ…」
「まぁ、そう言うな。大切な検診を忘れてたお前が悪いんだ。腹をくくれ」
「それはそうだけど……、」


きっと、船長室の扉を開けたら椅子に足を組んで偉そうに座ったキャプテンが悪魔みたいな形相で待ち構えてるんだろうなあ…。もう、バラされちゃうよ…私。



ぽふっ



「んにょ??」
「そんなに落ち込むな。あいつも鬼じゃないんだ」
「わ、ふわわわっ!!ぺ、ぺんぎ…っ!?」

(ぺ、ペンギンの手が………っ!!)


ペンギンの手が私の頭の上に乗る。ポンポンと優しく叩かれる度に心臓がドカドカうるさい。あばばばばばばばばばっ!!!!


「それに、終わったらおやつにでもしよう」
「おおおおおやつ??」
「コックがジンジャークッキーを焼いたらしい。たまにはゆっくりするのも悪くはないだろう」
「えっ、えっ…??」
「待ってるから。ほら、行ってこい」
「はぅ…、うん……」


ああ、手が離れちゃう。ていうか、一緒におやつにしようってこと?そういうことで良いのかな??どどどどどどうしよう!!!!そう思ったらキャプテン倒せそう!!(←!?)うん、頑張って検診受けてペンギンといいいい一緒におやつ食べるんだから!!!!


「ぺ、ペンギン!!私行ってくる!!!!」








【その気持ちの名もまだ知らずに少女は奔走する】



(あいつ、ペンギンが好きだってバレバレだろ)
(なまえが俺を??変なこと言うなよ、キャスケット)
(はぁあ??それ本気で言ってんの??)
(あいつを見てると飽きなくて良いよ)
((俺はなまえを見てるときのお前の顔が今まで見たことないくらい穏やかで物珍しいよ。なんてぜってー言わねぇ…))






Fin.




続いたり…する、のか??←
ペンギン(→)(←)なまえみたいな関係。