(鈍痛、シーツに沈め)



※ほの甘






「いぃ―たぁ―いぃぃぃ」

「口に出しても痛いのは治まらないぞ」

「わかってるけどぉ……」



ワタクシ、ハートの海賊団紅一点なまえ。
只今女の宿命と交戦中。
死にそうです。毎月やってくるヤツはいつだって容赦なく私の腹部を襲うのです。
鈍痛です。鈍痛。



「なまえ、声に出てる」

「うそっ、恥ずかし!!」



ペンギンの部屋は落ち着く。


なんてったって大好きなペンギンの匂いでいっぱいだから。
特に今私がいるベッドなんかはベストポジションである。
そう言うと大分変態臭いが、事実だからしょうがない。
ここに来れば気が紛れて少しくらい痛みから解放されると思ったのだが中々どうして上手く事は運ばない。



「生理痛とか死ねぇぇ」

「男の前で生理とか言うな」

「ペンギンだから良いんだもん」



そう言えば机に向かっているペンギンに「理由になってない」、とため息をつかれた。



「うぅ―、うぅ―、痛いぃぃ」

「そんなに痛むなら船長に薬をもらえば良いだろう」

「キャプテンがイ○Aとか持ってたら私、やだ」

「…やだって…」

「それに薬に屈したくない」

「子供みたいな言い訳をするな」



はぁ と、二度目のため息。



「ため息つくと禿げちゃうよ、ペンギン」

「誰のせいだと思ってるんだ」



ばふっと枕に顔を埋めると同時にぎしりとベッドが沈んだ。大きくて温かいぬくもりが頭を撫でるからペンギンの手だってすぐにわかった。



「ペンギン?」

「まったく、世話がやけるな」



ペンギンの手はゆっくりと下に降りると私の腰辺りを優しく擦ってくれる。



「どうだ?こうしたら少しは楽か?」

「んふふ…、うん」




私の腰を擦るペンギンの手から伝わってくる温かさが私を気遣ってくれているものだと思うと口許がにやけてしょうがない。
私は気持ちを落ち着かせようと息を深く吸ってみた。それでも、肺を満たすのはペンギンの匂いなもんだから頭の中が愛しい気持ちでいっぱいになってぽやぽやする。






ああ、やっぱり…








【ペンギンの部屋に来て正解だったな】

(生理グッジョブっ)
(また声に出てるぞ)
(うそんっ?!)





生理痛のお話でした。
痛いのって人それぞれですが一々重いのは辛いですねぇ××