(カーディガン)



※ほのぼの






昨日まであんなに暑かったのに。


「秋ってさ、こんなに早く来るもんだったっけ」

「知るか。もうすぐ10月だぞ」


今朝、いつものようにローのチャリに2ケツするとちょっと前まで夏仕様だったコイツの背中はあったかそうなカーディガンになっていた。

かくゆう私も目覚めの寒さにキレ気味にしまってあったカーディガンを引っ張り出してきたのだが。



「もう少し、こう…ゆるやかにさあ」

「そーですね―」

「聞く気ないでしょ」

「ねぇよ」

「即答!?」



むっとした私はローの腰に回す腕に力を込めた。



「…う゛っ…」

「こちとらしゃべってないと寒くて死ぬんだよ〜っ」

「知らねぇよ」



自分でも理不尽だと思うが、ローに対して今更理不尽とかない。普段はローの方が私の扱いが酷い。



ふと、ローの体温がいつもより高いことに気付く。



「ねぇ、ホッカイロしてる?」

「してねぇ」

「体温高くない?」

「…寝起きだからだろ」

「あ、そ」



更に腕に力を込めた。
ローの背中に私の体を預けるように密着させる。
びくってローがビックリして少し体が揺れた。面白い。


それにしても、







(…あったけ――……)









【うとうと、そんな寒い秋の朝】

(…おい。…おい、なまえ)
(ぐう…)
(……寝やがった…)





友達以上恋人未満。
でも、ローはヒロインが好き。
最近寒いですねぇ…。