「な、ななななな」
「おーおはようさん。って…なんちゅー顔して俺を見とんや名字」
私は驚愕した。なぜなら、目の前で緑色の液体を飲む忍足謙也がそこにいたからだった。ラベルを外されたペットボトルが異様なオーラをかもしだす。いくら私が忍足を好きだからって、朝っぱらからこの謎の物体を飲める彼(しかももう半分飲んどる)は理解不能だった。
「いや、だって、その緑の物体…」
「ああこれか?めっちゃ体にええ青汁っちゅー話や。白石が勧めてくれてん」
「青汁て忍足、そんなまずいもん朝っぱらから…」
「なっ…!青汁ばかにすんなや!ごっつ体にええねんで!」
「そんな緑色でまずそうな汁、飲めるか!」
緑色の汁を指さして私はそう嘆く。
ちゅうか学校にもってくるもんやないわ!私がそう付け足すと、忍足は少し拗ねた顔でこういった。
「…そない言うんやったら、名字も飲んでみいや。味は俺が保証したる」
予想外やった。まさかこない状況になるとは…。しかも悪意のないその瞳が、私のハートを射抜く。さすがに青汁はまずそうで飲めそうにない。せやけどこれは忍足と間接キッスするチャンスや!私はそう思いながら、とりあえずペットボトルに手をかけた。
「ほ、ほんまに、まずくないんか…?」
「おん、体にもええしな。」
忍足がニコニコしてこっちを見てる。
…なんやその天使のような笑顔…
可愛すぎっちゅー話や!
そして彼の笑顔に操られるように、
ごくりと一気にのみました。
間接キッスの為ならば
(バタッ)
(名字!?)
(おーお前ら朝っぱらから何やってん…って!名字さん倒れとるやないか!)
(白石っ、名字がっ、名字がっ…!!!)
(口から青い汁たれとるやんかっ…謙也お前あの青汁飲ませたんか?)
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天然謙也と変態(ある意味純粋)主人公。
謙也は青汁好きなんで、通常より濃いの飲んでそうです。