どこに載せようか迷う



携帯に一通のメール。町へ出ると、目の前には馴染みのバイク、馴染みのヘルメット、馴染みの黒いジャケットと一緒の、馴染みの男が立っていた。「ちょっとビール奢ってくれや」男は笑って言った。久しぶりだな、ああ元気にしているか、俺はまあ健康にしてるぜ。焼肉屋でそんな会話が始まる。次第に、煙が向かいに座る男を隠していった。俺は自身の目元に溜まった涙を、そのもくもくと昇る煙を直に浴びてしまった所為にした。わかっている。この涙は炭が創る煙のせいじゃないなんてこと。わかっている。俺が泣きたいのは、もういないはずの男とまた会って、そいつがいま煙と一緒に消えてしまったこの時間に、だなんてこと。「御盆は終わった。もう。終わったんだぞ」ひどく塩辛い焼肉だ。

(談)



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