バレンタインネタ。現パロ
久々知→高2
綾部→高1


2月14日。何の日かと聞かれれば、みんな口を揃えて言うだろう。バレンタインデーと。
歴史ではキリストがどうとか色々聞いたことがあるような、ないようなだけど、日本では女の子が好き男にチョコレートを渡す日となっている。
最近では友チョコとか男から渡す逆チョコとか流行ったりしている。俺にも恋人がいるが、相手は同性。常識を外れた恋愛をしている俺は、果たしてどうなるのか…
「あげればいいじゃん、綾部に」
こんな風にバレンタインについて考えていたら、親友である勘ちゃんが唐突にその言葉を発した。
何のことかなんてなんてわかっている。けど、俺は気づかぬふりをした。
「…な、何を?」
「チョコだよ。兵助、綾部にあげないの?」
即答だね、勘ちゃん。
「…いや…うん、チョコかぁ…うん…」
「渡さないの?」
「…渡すもなにも、準備してないし…」
全く考えてなかったし。バレンタインなんて、興味無から
「そーいや、兵助ってこーゆーイベントに淡白だよな」
「まぁ…」
チョコを貰いたいとか、モテたいとか思ったことないし。
むしろ、豆腐欲しい。なんで豆腐あげる日は無いんだ。
「女子から結構貰うのに…」
全部後輩にあげてたけどな。去年は三郎とかハチにあげたっけ。
今年は…どうしよう…
「あれ、兵助。今日誰かからチョコ貰った?」
そーいえば…
「貰ってない…」
まぁ、別になんでも良いけど
☆★
HRも終了し、鞄を持ち、クラスの奴に適当に挨拶を済ます。
勘ちゃんが少しニヤついていたことは無視しよう。
教室を出ると綾部がいた。暗黙の了解で俺たちは歩き出す。
生徒玄関を出て、校門を抜ける。勘ちゃんのニヤついた顔や今日交わした会話が忘れられなくて、ここまで話さずに来てしまった。くそ、俺のヘタレ。
綾部も綾部で話しかけて来ないし…
けれど、手だけはちゃんと繋いでいた。相変わらず冷たいな、お前の手は。
なんて、心の内に呟く。
「久々知先輩」
ふと、愛しい声で呼ばれた。
「ん―?」
何気なく返事をする。何故か繋がれてる方の綾部の手に力がこもるのを感じた。あれ…俺なんかしたっけ…?
「今日、バレンタインですよね?」
「あーうん」
興味無さげな返事をする。まぁ、実際あんま興味無いんだけど…
ふと、綾部のそんな足が止まった。
「綾部?」
俺も止まり、振り向く。
当の恋人は繋いでいた手を離し、鞄の中を漁っていた。
それを観察していると、見つけたらしく、何かを取り出した。
箱…?ラッピングしてある…
え、コレもしかして…え…?
「…どうぞ」
両手でしっかりと持って綾部は俺に差し出す。
彼の手にはさっき取り出した箱(ラッピング済)
「…俺に…?」
「他に誰がいるんですか。僕は先輩にしか渡しませんよ」
少しむすっとしながら綾部は言う。なにこれ可愛いんですけど…
てか
「すっげぇ嬉しい…」
今までこんなに嬉しいと思ったバレンタインはなかった。
「ありがとう」
愛しい恋人に伝えると彼は嬉しそうに笑った。
あまり興味が無かったバレンタイン。今日初めて悪くないと思った。
fin.

(他の人から貰ってませんよね?)(あー今年は珍しく無かったな…もしかして…?)(はい。僕、今日頑張りましたから)(綾部…!)(もう他の人からもらわないでくださいね?)(もちろんだ!(可愛い可愛い可愛い可愛い))
久々知が貰ったチョコは豆腐チョコ。



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