日常

非日常な日常。それがオレの日常だった。孤児だったオレは桐谷紫紀という情報屋に拾われて、とりあえず今は高校に通っている。非日常と日常を行き来するのがオレの日常。
非日常と日常の行き来っつっても、そんな危ない事はしてないし、第一紫紀がさせてくれない。ホントに非日常に干渉してる程度。情報の整理手伝ったり、以来主に茶出したり……たまに人手が足りない時に駆り出されるかな…。
一応護身術とかは心得てるし、銃の腕ならそこらの警察より良いって紫紀が言ってた。
…紫紀に教えてもらったんだよね…。

水道の蛇口を絞め、食器の水気を切る。

「よしっ」

これで一通り終わった。あとは学校へ行くのみ。けれど、学校に行くにはまだ早い。
紫紀はもう事務所に降りてったし…まぁ所謂暇と言うやつです。
今日は珍しく紫紀が早起きしたからあいつにかける時間が減って楽ができた。いつもは同時に部屋を出るのに今日は紫紀が情報を整理するからって早くに出て行った。

「それにしても暇だなぁ…」

ソファーに仰向けで寝ながらそう呟く。
…もう学校に行こうか。
うん、そうしよう。
オレはテーブルの上に置いてある鞄を持ち、玄関のドアを開けた。

事務所の横の階段を降り、外に出る。

「紫紀」
客用の事務所の入り口から入り紫紀に声をかける。

「んー?どした?」

書類とにらめっこをしながら紫紀は返事をした。

「学校、行ってくる」

「ほーい」

紫紀が返事をすると、見ていた書類をデスクの上に置いて、オレの元まで来る。

「行ってらっしゃい」

そう言って彼はオレの額にキスを送った。

「行ってきます」

オレはへにゃりと紫紀に笑った。紫紀もまたオレに向かって微笑んだ。


これが、俺たちの日常。


この二人はこーゆーことをさりげなくやってしまうバカップル。
紫紀は口にちゅぅするのも好きだけど、こーゆー時は額にする人です。
他人の前でも平気で額にキスをします(笑)


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