スカートの中の嘘 | ナノ

がばり、と後ろから抱きつかれた。「静雄、」ここは街中だ、と言おうとしたが静雄がぎゅう、と腕に力を込めてくるものだから首が締まり言葉が詰まった。静雄はたまに私のところに来て抱きついてくることがある。それは何でかわからない、理由なんて聞いたことがないから。だって、今にも泣きそうな顔をして抱きついてくるから聞こうにも聞けない。だけど、静雄が辛い時私を頼ってくれていることはすごく嬉しくて愛されてると思った。私、ちょっと浮かれすぎか?ぶっちゃけたところ私もこういう時どうしたらいいかわからない。「静雄」ふと、名前を呼んでみる。ああ、なんか愛しいなあ。「大丈夫だよ」静雄の手のひらを包み込んでみる。静雄の手は大きいから包みこめないけどできるだけ包み込んでみる。もぞもぞと静雄の顔が動いた。首筋に息が掛かりこそばゆい。もう一回いうがここは街中だ、早まるな静雄。なんて言えるはずもなくこそばゆいのが現在進行形でくる。「離して、」びくりと静雄の肩が動く。そしてゆっくりと離された。静雄の方を見れば悲しそうな顔をしてじっ、とこっちを見ている。私はぎゅーと静雄に抱きついた。静雄は珍しく、ぐらついた。あ、びっくりしてる。ああ、可愛いな。私はその勢いのまま静雄にキスをした。「静雄、だいすき」また、思いっきり抱きついてやった。










(私たちは今日も愛を求めあう)