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もし私が、ミルティスでなく普通に天上人か地上人として生まれていたなら……貴方とはどんな出会い方をしたでしょうか。
すれ違うだけかも、敵対していたかも、そもそも出会わなかったかもしれません。

貴方に以前言われた言葉の意味を、ずっと考えていました。
生まれてきたことは、失敗ではない……と。

私は今まで、転生出来ずにミルティスをさ迷っていた事実しか、自分ではないと思っていました。
でも……そんな私にも、それ以前に生きて、転生し続けてきた存在がある。歴史がある。この体も心も、私だけのものではないのですね。だから私は、どんな生まれ方をしようと、恥じてはいけないと思ったのです。

貴方を危険に晒してしまった立場で言うのも心苦しいのですが……私は……貴方と出会えて、良かったと思います。貴方は私を、生きている存在と言ってくれたから。
私……貴方が、初めてなんです。そんなことを言ってくれたのも。温かい手を差し伸べられたのも。生まれる前の過去の自分を考えるようになったのも。苦痛をそうではないと感じたのも。決意を揺るがないものにしたのも。貴方といると、初めてのことばかりが訪れる。

……もし、許されるなら。
まだ貴方と、一緒に見たいのです。これからの景色を。

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