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  キリ番19000(夢見様)……シンジ/両片想い/日常


「好きなんでしょ?シンジの事。」


突然の友達の一言に思わず箸が止まってしまった。
私は痛恨の一撃をうけて、声も出ず口をパクパクしてしまった。

箸に挟まっていたおかずがお弁当箱に逆戻りしていった。
一緒にいたヒカリも同じようにほんのり頬を染めながら私とアスカを交互に見ながら口をパクパク。


「告白しないの?」

「ていうかそもそも私、碇くんの事好きとは言ってませんけれど?!」

「あっそ。」


アスカは、はいはいとでも言わんばかりに口の中にご飯を入れていた。
碇くんの手づくりのお弁当……。そう思うだけでお弁当の周りはキラキラと光っているように思えてきて、とてもおいしそう。

思わずごくりとつばを飲み込んでしまう。


「いくらアンタでも渡さないわよ?」

「え、アスカも碇くん、好きなの……?」

「…………お弁当の話なんだけれど。」

「…………。」


墓穴を掘ってしまったああああああああああ!!!
思わず出てしまった言葉はしっかりとヒカリにも聞こえていたらしく苦笑いをしている。


「な、内緒にしててね……。だって私じゃ釣り合わないもん……碇くん、お料理うまいし、繊細なのにどこか男らしくて、そのギャップがカッコイイし……。」

「もー!じれったいわねー!釣り合わないとか考えないの!どう考えてもあのヘタレも名前の事好きでしょう!」

「んん?!そんな事は天地がひっくり返ってもありえないよ!」

「はー……。」


アスカから重いため息をつかれてしまった。
だって、あの碇くんだよ?ひっそりと碇くんのファンクラブが存在しているのを知っている。私も入りたいけれど、誰に言えばいいかわからず入れずにいるけれど。


「もー。……どいつもこいつも。」







「もー!じれったいわねー!釣り合わないとか考えないの!どう考えてもあのヘタレも名前の事好きでしょう!」


そんな声が僕のところにも聞こえてきた。
彼女の名前が出た、というのもだけれど何より僕にとっては大事件とでもいえるくらいの内容だった。

苗字さんの好きな人?
気になって振り返って見るとアスカと目がバッチリあってニヤリと笑われる。

なんだよ……、教えないつもりだな……。
アスカは僕の気持ちを知っている。

つい先日、アスカから「いつもアンタのお弁当を名前が美味しそうだと言わんばかりに見つめてくるのよね」と伝えられて、僕は嬉しかった。
好きな人から何かを褒められることはいつでも嬉しいことで、そしてそれが完全に僕の顔に出ていたらしく、アスカから気づかれた。
というのがこの前あったこと。


「おい、シンジいつまで見てんねん。傍から見たらバレバレやで。」

「なっ!」

「シンジ〜、反応が素早かったなぁ。そんなに気になるのか?苗字の、す・き・な・ひ・とっ」

「からかわないでよ……。」


お弁当に目線を戻して、また気になって苗字さんがいるグループに視線だけをむける。
彼女たちはすでに違う話になっているのか明るい笑い声を上げながらお弁当をつついている。

そういえばアスカは相手の事をヘタレ、と言っていた。
どうだろう、僕はヘタレに当てはまるだろうか?
……アスカから「このヘタレ!」と言われるのを想像して、しっくりきてしまった。

あれ、僕ってヘタレだったのかな。
でもこの場合だと少し嬉しくなる。苗字さんの好きな人が僕である可能性だってでてくるんだ。


「誰なんだろう。」







ホンっト、二人共鈍感な上に似たもの同士なのよね。
妙な所で奥手。押しが特に弱い。肝心なところでは頑張っちゃうくせに他人に見せようとしないところとか。

そんな相手の事見ちゃうくらい意識してるんだから、周りの人にはバレバレなのよね。

しょーがないわね。アタシが一肌脱ぐか。


「シンジー、名前がさアンタのお弁当食べたいんだってさー!」

「へっ!?」

「ちょっと、アスカ!!?私何も言ってない!」

「……黙っときなさいよ。悪いようには進まないから。ねー、シンジ、アタシのお弁当を抜いていいから名前に作んなさいよ。」

「いや、アスカの分も作るよ……あと、僕のでいいの?苗字さんは……。」

「も、もちろん!わ、私もお礼に何か作ってくるね……!」


肘をついて、事の成り行きを見守る。ヒカリは面白そうにクスクスと笑ってるけれど、アンタも人の事言えないのよ?

はー、だからじれったいのよ。

はやくくっつきなさいよね!


「アンタ達!まずは中学生らしく交換日記から!」

「「なんの話?!」」



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キリ番19000 夢見様リクエスト
シンジくん相手で両片思いというリクエストでした。

実は初めて両片想いというものがあるのを知った管理人です。
なにこのじれったいの。お前ら早く告白しろよ!
きっと連載にしてたらライバルができたり、相手が誰かと付き合ったりするんだろうな…とか考えて書いてました。

オチがまさかのアスカ。

夢見様、キリ番報告とリクエストありがとうございました!
リクエストのおかげでシンジくん夢がまた一つ増えました!(自力で増やせよ)
また遊びに来てやってください♪



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