やっと苦行のテストも終わり勉強以外のことも学びましょう。と意気込んでみたけれど、
すぐに手詰まりになってしまいました。
「好きってなんなんだろうなぁ……。」
何をしていいかわからなかったのでとりあえず学校の自分のパソコンで検索をかけてみた。
その一番最初の検索結果で「LIKEとLOVEの違いとは」と診断テストが出てきた。
――ちょっとやってみよう。
「……名前、何落ち込んでんの。」
「ア、アスカちゃぁん……。」
顔を上げるとアスカちゃんがジト目で隣にいつの間にか立っていた。
この結果を言えるのは彼女だけだろう……。
「この診断したら友情とか家族愛のほうの好きって言われちゃった。」
「なになに……、アンタね……、この質問をアンタとアイツに当てはめたら友情になるに決まってんじゃない。」
画面を覗き込んだアスカちゃんは呆れたようにため息をついた。
質問の内容は自分の事を話したいとか、肉体関係をもちたいとかそんな感じのものばかりだった。
「こういうのはただの参考よ。アンタは特殊、だと思いなさい。今まで誰かとキスしたいと思った?その人とずっと一緒に居たいって思った?そういうことよ。」
「えっと、よくわからないけれど、他の人にはそう、思ったことはない、のかな。」
「性格よ。『押し付けはダメ』とか『伝えたらダメ』とかそういった抑制を無意識にしてんのよね、名前は。というか日本人全員、心ン中でその前提みたいなのがあるのよね。特に名前は強くね。」
開いていたサイトを閉じられて、デスクトップが現れる。
あ、そういえばあの宿題提出明日だったな……。
「ねェ、聞いてんの?」
「あ、ゴメン、何……?」
「手を繋いじゃいなさいよって言ったのよ。アンタらくらい仲いいんだったら先に進まなさそうだし、なにかきっかけないとあの鈍感王子は気づかないでしょ?」
「え、あ……えっと、手はつないだよ……?2回くらい……。」
「はァ?!……アンタ達って、進んでんのかわかんないわよね。なんでそこまでいってどっちも自覚してないのよ。」
「だ、だってその時はドキドキしなかったよ……っ?!安心というか、落ち着くというか。」
「恋なんてね、色んな想いが入り混じるものよ。ドキドキだけじゃないってこと。」
「あ、でもカヲルくん好きな人いるし、私にはかなわないから。」
ふと、シンジくんと目があった。
多分、話の内容が気になったのかな?好きとかそういった話は皆気になるもんね。
カヲルくんの好きな人、シンジくん。
私は彼になれないからLOVEにはなってもらえない。
アスカちゃんの方を見るとぽかんとした感じの顔をしていた。
口がぽっかりとあいてる。
お菓子もってたかな……?飴玉があったから飴の袋を開けてポイっと口の中にいれる。
「むぐっ……!び、びっくりした。ありがと……、ていうかアンタ、アイツに好きな人がいるの知ってたの?」
「うん、まあ、一応。憶測だけれど……。」
ほら、また彼はシンジくんのところにいくんだ。
視界の端で二人を捕らえる。楽しそうに笑うカヲルくん。
多分、彼をいい方向に変えたのはシンジくんなんだ。
そんなの、私が入る隙間なんて、ないに決まっている。
「何々?恋バナ?」
「げ、相田……、アンタ女子同士の話に割り込んでくるんじゃないわよ。」
「いいじゃん、俺みたいな情報通がいたほうが楽に進む話だってあるんだよ?で、苗字の恋バナだったんだよね?」
「う、うん……。」
「相手は……?渚?」
一発で言い当てられて、一瞬言葉に詰まる。
ここで違うと言うと肯定しているみたいで何だかいやだ。
「どうだろうね?」
「ていうかアンタはあっちに行きなさいよ。情報とか今はそんなレベルじゃないしね。」
「渚は止めといたほうがいいよ?倍率高いしね。」
そういって相田くんはすぐに去っていった。
なによ、アイツ。感じ悪ー。といいながらアスカちゃんは飴玉を噛み砕いていた。
そっか、相田くんは生徒の事よく見てるから、色んな人の事知っているよね。
もし今度なにかあったら聞いてみよう。
決意と同時にチャイムがなった。
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