0918 21:29

貴方はくろろの喜多主で『逃がしはしない』をお題にして140文字SSを書いてください。
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「ちょ、ちょっと待て」
壁に押し付けられ、焦ったように声をあげる男に、祐介はああ待とうと答える。
「とりあえず腕、放してくれる?」
「それは無理だな」
「……なんで」
「だって放したら逃げるだろう?」
まさしく絶句といった表情の男に、祐介は少しだけ満足する。
「お前が好きだ。」
お前もそうだろう、と言外に匂わせる。男を見つめる祐介の目は子供のような無邪気さを秘めて輝いている。感情の純粋さを示すようで男は居心地が悪い。
しばらくして男は観念したようにひとつ頷き、俺も好きだよ、と答える。祐介はその言葉を待っていたとばかりに口づけた。

貴方はくろろの喜多主で
【君の答え】をお題に
140字SSを書いてみて下さい。
SSでもOK!
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「考えたんだが」俺の部屋でスケッチに勤しんでいた祐介が唐突にいった。俺は読んでいた本から顔をあげて、ちらと祐介の方を見た。整った顔が眼前に近づいていて、思わず仰け反る。いやに真剣な目がこちらを見ていた。「お前と付き合うのが一番いいと思うんだ」ひとつ、ため息。また脈絡のないことを。


貴方はくろろの喜多主で
【抱きしめてごまかす】をお題に
140字SSを書いてみて下さい。
SSでもOK!
https://shindanmaker.com/570790 

机の上を見つめていると、いきなり背後から腕が回ってきた。耳元で名前を囁かれ、ぞわりとしたものが背筋を走る。俺は振り向いてすぐ近くにある端正な顔に向かって顔をしかめる。
「祐介、また俺のじゃがりこ食べたな……」
「すまない。じゃがりこが食べてくれと囁いてきてな」
「別にいいけど、誤魔化されないぞ」
「む、双葉がこうすれば何とかなると言っていたんだがな」
ふむ、と俺から離れて思案顔になる裕介に俺はこれ見よがしにため息を吐く。確かになんとかなるだろう。なんとかなるだろうけども!
「余所でやるなよ」

くろろの喜多主で、色あせた色彩が彩る世界の中で、苦しみに押しつぶされそうになりながら静かに拒絶している場面が出てくるお話を書いてみませんか?(4ツイート以内)
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作戦の失敗が分かったとき、俺はその場で立ち尽くすしかなかった。俺たちは負けてしまった。しかし、俺たちが捕まることはなかった。世間を騒がせた怪盗団のリーダーが獄中自殺した。その事で世間は持ちきりになり、仲間の存在はうやむやに立ち消えたのだ。
かといって、俺たちが自由に動けるかというとそうではない。俺たちは常に何者かに監視されていて、下手に動けばすぐに捕まってしまう状況にいた。ゆえに、敵討ちなどできるはずもなかった。俺たちは次第に疎遠になった。
色のない世界に放り投げられてしまったような感覚がした。
それでも生きるしかなかった。そうしなければリーダーが最後まで戦ったことが無駄になると思ったからだ。いつでも思い出すのは、あの色づいていた世界で、リーダーの姿だった。
俺は逃げるように絵を描くことに没頭した。絵の中の、色づいた世界にだけ、俺の居場所がある。しかしどんなに描いても、理想がたち現れることはない。悲しみを描いても、苛立ちをぶつけても、何も描けない。俺の心を上滑りする。唯一の居場所にさえ、否定されたような気になって、また没頭する。キャンバスの上に筆を滑らせて、描く。描く。描く。
絵筆を握りしめて、唇をかみしめる。
こんなものではない。俺が描きたいのは。
目の前にある、何も伝わってこないなりそこないがひどく憎かった。

貴方はくろろの喜多主で『どうでもいいよ、そんなこと』をお題にして140文字SSを書いてください。
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「な、本当にするのか……?」祐介の太ももにまたがって、シャツを脱ぐ。当たり前だろ。答えながら祐介のシャツに手をかけると、祐介が俺の手をつかんだ。「まて、きょ、今日は日柄も悪いし、まず、心の準備がだな……!」全く往生際の悪い。祐介の手を振り払って、顔を近づける。
「逆。思い立った日が吉日だから」

病んでしまった喜多主で、奇妙に歪んだオブジェが並ぶ庭で、ぽつりぽつりと言葉を零しながら毒の小瓶を手に持っている場面が出てくるお話を書いてみませんか?(2ツイート以内)
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最深部は庭だった。見事な青い空と芝生が広がっている。しかし、その庭はペンキと絵具の匂いで満ち、空はよく見れば雲は描かれていることがわかる。敷かれた芝生の上には人の手足が無造作に転がっていて、部屋の中心に立つ祐介がぶつぶつとなにか呟きながら見つめるものの一部だということがわかった。名前を呼ぶと、その祐介が振り返る。金色の目の祐介はこちらに嫌悪感を剥き出しにした表情を向けた。「こんなところにまで来て何の用だ?お前が欲しがるものなどなにもない。」「いいや、あるね。」
「その、趣味の悪いニセモノから、お前の心を頂戴する」

貴方は喜多主で『入れ替わり』をお題にして140文字SSを書いてください。
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鏡の中の祐介が穏やかに微笑んでいる。「好きだ」一人の部屋に、低く落ち着いた声が響く。だめ押しに自分の名前も呼んでみる。思ったよりも甘えた声が出た。
あ、ダメだこれ恥ずかしい。
祐介の顔が赤く染まる。照れたらこんな顔をするのか。いつか、見てみたい。そう思って、少し切なくなった。

貴方はくろろの喜多主で『愛の逃避行』をお題にして140文字SSを書いてください。
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「祐介、逃避行しよう」唐突に告げられた言葉に祐介は目を見張った。「いきなりどうした」「海にいきたい」「それは逃避行というのだろうか」「冬の海に訳もなく行くとか逃避行っぽいだろ」言いながら腕を引かれ半ば無理やり連行される。乗り気ではなかったが、彼が楽しそうなのでいいかと思った。

くろろの喜多主で、日が沈む街を見渡せる時計台で、この恋を最後にすると誓いながらを喰らう場面が出てくるお話を書いてみませんか?(5ツイート以内)
https://t.co/DI8VCDOce5

スーツケースを引いてここまで来るのに、思いの外時間がかかってしまった。もう街が夕日に沈んでいる。この、小高い丘に位置する時計台から見る景色は、彼がお気に入りなのだと語ってくれたものだった。彼の声を思い出して、目を細める。
約束を、果たすとしよう。
引きずってきた重いスーツケースを開く。中には納めるためにバラバラにした彼の身体がある。ただ、頭はもうない。食べたからだ。皮膚を削ぎ、目をくりぬいて、舌を切り、食べた。生の肉はまずかった。あまりにも生臭く、しょっぱすぎて。
全て食べきって、虚無が残った。なんとも形容しがたい感情が、胸焼けに似ていた。
一緒に持ってきたスコップで、適当な場所に穴を掘る。夕暮れにもなって、こんな場所に来る酔狂な者は俺以外に居はしない。三十分ほどでそれなりの穴が掘れた。その中に足と胴と腕とに分けた身体を丁寧に入れていく。目に見えるほど腐ってはいないが、かすかに腐敗臭がする。最後に残った左腕に対して思った。いとおしい。
この手が、好きだったのだ。この足が、この身体が、腹に消えた頭が。恨めしい気持ちで、最後にその腕の指を根本から噛んで、千切った。
夕暮れは終わり、夜が街を包もうとしている。

くろろの喜多主への妄想語り用お題
1似合う面
2ハグ時に浮かぶ感情
3うっとりする時
4別れの言葉
5相手を同じ不老不死者にする
6似合う加護
7小説家だったら
8デレ(orツン)0だったら
9見そうな夢
10迷子の探し方
https://t.co/zOPKZrxKHF

1
あ、と思わず声が漏れた。ソファの上で毛繕いをしていたモルガナが、俺の声に反応して怪訝そうにこちらを見つめてくる。なんでもない、という意味を込めて見つめると、モルガナは毛繕いを再開した。俺はほっと息をついて、もう一度作業机にかけられたTシャツに視線を固定する。なにせ少しでも動くと怒られるので。
Tシャツに印字された「アイラブ東京」の文字を見つめながら、先ほど盗み見た祐介の顔を思い浮かべる。俺の横顔を描いている祐介はとても真剣な表情をしてスケッチブックに向かい合っていた。それを見て思わず声をあげてしまったのだ。
うん。いい顔だったな。心に沸き上がる気持ちに自然と笑みが溢れそうになって、口元を引き締めた。

7
見られている。まさしく一挙手一投足につけて観察されているのを感じる。一体いつから見られていたのだろう。見られていると思うといつもは何気なく出来ている動作がぎくしゃくする。
カレーをなんとかよそい終え、最後に水をコップに注ごうとして少し溢してしまった。あっと思わず声を上げると、同時に祐介が笑った気配がした。思わず乱暴に水を置く。
「祐介、見すぎ」
さすがに堪えかねて文句を言うと、祐介は悪びれもせず「お前の行動を文字起こししていた」と答えた。
「それって楽しい?」
その回答に思わずジト目になりながら尋ねるが、祐介は涼しい顔だ。
「ああ。楽しいよ。お前は美しいからな」
「そりゃどーも」
照れ隠しに投げやりにエプロンを脱いで祐介の隣に座る。カレーを食べようとスプーンを手に取ると、隣から呟くような声が耳に届いた。「お前を表現しようと思ったら、どれだけ言葉を尽くしても足りないな……」
何を言っているかよくわからないが、恥ずかしいことを言われているのはわかる。
「いいから、食べて。」
なにやら思案顔の祐介にそういうと、はっとしたようにスプーンを手に取った。俺もカレーを口にする。今日のカレーは一段と辛い気がする。顔が熱いのもそのせいだ。

8
メッセージを送ってみたものの、一向に返信はない。それどころかもう一時間もたつのに既読さえもついていなかった。メッセージ画面を消して、ため息をつく。
最近こんなことばかりだ。これまではこちらが送る前に目の前に現れるような男だったのに。などと、つい恨み言のようなことを思ってしまう。その理由は、俺のことで一段落ついたからであるというのはもちろんわかっているのだが。怪盗団のリーダーとしてあちらこちらで取引をしているのだから、俺ばかりに構っていられまい。……ということに気づいたのは、わりと最近のことだった。これがなくなって気づく、というやつだろうか。
そばにあいつがいるということが、いつのまにか当たり前で、居心地のいいものになってしまった。同じことをしているはずなのに、何かが足りない。この雑踏のなかに、あいつがいないかと探してしまう。心が、乱れる。集中できない。
こんなことではまともに人間観察など出来るわけもない。今日はここまでにしよう。
最後にもう一度メッセージを覗いてみたが、やはり返信はなかった。

9
雨が降るなかを走っていた。結構な豪雨で、俺はすっかりずぶ濡れだった。見えてきたルブランへ駆け込む。ずぶ濡れの俺を見た暁は、コーヒーを淹れていた手を止めて、タオルをもって駆け寄ってきた。「傘は?」俺の髪を拭きながら暁はそういった。もっていないと答えると、ずっと降ってただろとあきれたような声がした。そうだったか。あまりここに来るまでの記憶がない。しばらく雑に髪を拭かれるがままになっていたのだが、急に暁が手を離した。「頭だけ拭いても意味ないな。」そういうと暁自身も俺から離れていこうとする。それが惜しくて、後ろから捕まえるように抱きついた。触れあう部分がじっとりと暑い。暁は何も言わない。心臓の音が聞こえる。
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