0315 23:58

好きな人が、いたのです。

とてもきらきらした人で、彼の周りにはいつも誰かしらがいました。その人は、その中心でおどけて、たまにすねて、笑って、くるくると表情を変えていました。それが好きでした。だって、楽しそうで。見ていると、しあわせ、でした。

その中に、自分が入れないと気づいたのはいつだっただろうか。
影山飛雄はいつだって及川徹を見てきた。サーブを盗むため。ブロックを盗むため。レシーブを盗むため。バレーにしか関わりのなかったはずのそれは、いつの間にかもっと広範囲になっていた。
試合中にチームメイトに声をかける様子。試合後の笑顔や、真剣にミーティングで発言する様子。着替えている時に岩泉にふざけたり、2年や1年にちょっかいをかけたり。
その中に、いつも影山はいなかった。
影山はそれに対して、感じることはなかった。諦めよりも遠く、それが当然だと思っていた。だから、動かなかった。変わらないものを変えようとすることの意味を、見いだせなかった。
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