アイクと組んだのは、いわゆる偶然だった。

チーム戦で丁度相手も決まっておらず、周りは相手が既に隣にいて一人の奴が見
当たらない。

(……困ったもんだな)

その時、目についたのがアイクだった。
丁度アイクも相手が決まっていない様子で、隣に相手はいなかった。

しかしアイクとはあまり接点がなく、話した事があるとすれば最初の挨拶ぐらい
だった。
しかし回りに相手はおらず、仕方ないとスネークはアイクに声をかけた。

「ぁー…、アイク。」

「あぁ、えー…、スネーク、か?」

「お前チーム戦に出るのか?」

「あぁ。そのつもりだが、回りに相手がいないから個人戦にしようと思ってた所
だ。」

「なら俺と組んでくれないか?」

「あんた、と?」

青い目がじっと俺の目を見つめる。
睨むような鋭い視線ではなく、ただ澄んだ無垢な目だ。
しかし、それでいて凛とした強さの光を持っている。
結構いい目をしている。
嫌いじゃない。

「あぁ。嫌か?」

「いや、構わない。よろしく頼む。」

どちらかと言うと細い指先の手のひらが俺に向けて差し出された。

「いや、こちらこそよろしく頼む。」



いざ、乱闘が始まると、アイクは強かった。
今まで横目で見ていた相手だったが、かなり強い。
両手剣の神剣ラグネル、とやらを片手で軽々と持ち、敵チームに確実なダメージ
を与えている。
久々に感心してしまった。



乱闘は自分チームが勝利に終わり、アイクに一声かけようとすると、俺より先
にアイクが近づいてきた。

「あんた、すごい強いな。よかったらこの先、また組んでくれないか?」

犬のようにしがみつく勢いで話すアイクが、不覚にも可愛いと思ってしまった。
思わず口元が緩む。

「アイク、お前もかなり強いぞ。俺でよかったらまた組んで欲しい。」

「っ本当か、ぜひこれからよろしく頼む。」

驚いた。
いつも無表情なアイクが、笑った。
驚いたと同時に、凄い勢いで胸が高鳴った。

この不意打ちは、駄目だろう…!!

思わずアイクの頭に手を置いて撫でてしまった。

「っ、なっ、何するんだ…、」

その照れた顔に更に何かを打ち抜かれた。
今日まともに話した奴だってのに、あの強さを見せつけられて、更にこんな可愛
い顔をされたら、いきなりだが押し倒したくなる。
いやいや、それは流石に駄目だろう…!何を考えているんだ俺は…!!
それに俺はホモなんかじゃない…いやしかし押し倒したいのは事実だ…!!!

「……スネーク?どうしたんだ?」

きょとんとしたアイクの顔が俺の顔を覗き込む。

認めたくないが、どうやら俺はこいつに惚れてしまったようだ。









「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -