イナイレ夢的な | ナノ






「よー風汰、久しぶりー」


「あっれー晴矢くんじゃん久しぶりー、お日さま園のみんな元気?ていうかお前が来たって事は風介は?風介はどこかにいないの?なぁなぁ風介だよ風介、もったいぶらずに教えろよどこかに隠れてるんだろそんなことしなくても既に素敵なサプライズだから喜ぶのにほらさっさと教えろよここんとこずっと風介に会ってないんだよというか風介だなんて言ったらファンとしては最低だよなガゼル様を早く俺に差し出せ晴矢という名のバーンさん」


「なんでお前はそう俺への扱い酷いんだよ!ハッ、残念だったな風介はいねぇ!」


「はーいそうですかーならバーンさんも帰ってくださいもう用はないんで」


「俺があるから立ち寄ったんだ馬鹿!」



強く日が照りつける中飄々とそいつは現れた、なんだお前属性があれだからって平気なのかいやあそんな筈は無いだって彼も人間だから。
そう今日はいつもとは違う、まだ春先と云うのにも関わらず薄着で過ごさなければ熱中症を起こしてしまうほど暑苦しい。
そんな春先見たくもなかった!流石超次元それで全てが万事解決!暑苦しい中暑苦しくサッカーやる俺らもようやるわ、と溜息ひとつ。


それに加えていつも不機嫌時になると涼野が行う仕草、髪を左手でぐしぐしとかく。
それを納得いかない顔で南雲はつっかかってくるも「どちらさまですか」という風汰に一段と沸騰した。



「あーあ、折角風介からの差し入れ持ってきたのによ」


「それを先に言おうかてめぇ、さっさと出せ」


「んだよその態度!」


「うっせぇ!ガゼル様だぞバーン!つーかそんな怒っててよく汗をかかないな、超次元かお前の体」



自分もそうじゃないのか、と小さなつっこみ基思いをぐっと堪えて仕方ないと南雲はずかずかと雷門へ入り込んできた。
今日は特に何も無い普通の日、そんな日に練習する青春サッカー部に嫌な顔を見せる南雲の様は正に不良だ。


照りつける太陽が引けることも無くぎらぎらと輝くと急がねばとスピードを上げる南雲に余裕な表情でてけてけついていく風汰。
どこへ行くんだ?
風汰の言葉に南雲はただ一言「部室」と答えた。
そんなところに何のようなんだ、若しかして風介がいるのか、淡いというか果てしなく有り得ない事を真面目な顔で言う少しだけ高い背丈の少年に南雲は呆れてものも言えなかった。



「部室って冷凍庫とかあったりすんの?」


「えー冷凍庫ー?ないんじゃないか?普段氷とか保健室で置いといてもらってるし」


「でぇ、マジかよ、風介の差し入れってアイスなんだけど」


「さぁ寄越せ全て平らげてやろう」


「差・し・入・れ・だ」



にやにやと気持ちの悪い笑顔で言うものだからはいどうぞと渡してしまいそうになるのをぐっと堪えて南雲はすたこらと雷門サッカー部のいるところへ向かった。
先ほどから走っている二人は流石に日差しに疲労が見える。
ここ広いな。
そう南雲が言えば何故か自慢げに胸を張っては凄いだろと威張る風汰の姿。
何故得意気なのか判らないまま無視をすれば後ろから「あれー南雲くん無視かー風汰くん泣いちゃうー」なんて有りもしないことをけらけら笑って言いのけた。
ああ本当こいつの頭は可笑しい、全てが全て残念だ。
挙句の果てに雷門達から練習場を変更したとのメールを風汰に一通。


また長々とこいつの話を聞くのか、そう考えただけで南雲のテンションただただ下がるだけ。
その場所に向かうまでにアイスは溶けないだろうか、それともこの変な野郎の話で己が融けてしまわないか、迷ったところで何かを回避することなど出来ない。
判ってるんだけどなぁ。
嫌々渋々しているとだんまりだった南雲に風汰が生き生きと話しかけてきた。
あーあまた始まった。



「俺そっち行きたいなー風介の近くにいたいなー風介って可愛いよな、いやでもたまに格好いいか、でもやっぱり可愛いな、なぁなぁ南雲はどう思う?あ、いややっぱり言わなくていいや風介のことを判っている俺さ、お前の言いたいことは判るが流石に譲ることは出来ないだって俺風介の大ファンで大好きで愛してるから、あ、歯の浮く言葉だと思った?いやぁ仕方ない本心だしな、ところで俺宛になにかないの?本当にないのか?とうとうツンデレときましたか風介くん、そんなとこもいいよなーああ可愛い風介に会いたい、だから今日お日さま園に泊まりにムグッ」



長く暑苦しいことばかりを口走るおめでたい頭したこいつにひんやりと溶けかけたアイスを無理矢理口へ押し込んだ。
あれなんだこれ変な気分、南雲は少し厭らしく笑って見せると風汰はがりっとアイスを半分に噛み砕きしゃりしゃりと口内を動かす。
まるでナニかを噛み千切られた感覚に背筋が凍る、たらっと額から汗の流れた南雲の反応を楽しんでか、風汰のその顔はまるで悪魔。
残ったアイスの半分をお返しにと南雲の口へ押し返して笑顔で悪魔は言い放った。



「やきもちなんてかーわい、俺と風介どっちに焼いた?」



遠くからノーザンインパクトが放たれた声に音、風汰は幸せそうに飛んでいった。





本当に残念だ。
(無事か、晴矢)
(お、おう、あ!アイス!)
(まだ届けていないのか?)
(まぁ、色々あってな)

(ふう、すけぇ…)
(無様だね、こっちくんな)

でも報われてないってわけじゃないんだよなぁ。
だって風介、絶対風汰の事好きだろうし。











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ただの残念主が書きたかった。


でもキャラ全く判らん、アニメ寄り難しいげふん。
今度はもっときちがいとか思春期とか青春とかになるといいな。





(風羅)

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