「ふへー」 「あー」 「二人とも何してるの?」 「あっ庄ちゃん…二人して国語補修食らったんだって。」 「だから魂抜けてるんだ。」 「せっかくの秋休みなのにね。」 兵太夫と庄ちゃんがなんか話してる…まぁ、補修組の私には関係ないわ…補修により休みが無くなって絶望しかないわ。 「団蔵…また一緒に登校だね…」 「そうだな。」 「「はぁ…」」 秋休み やっと補修が終わって、今日は団蔵部活ないからいつもより早めにとてとてと帰路についてます。荷物は団蔵の自転車の前かごに放り込んでらくちん、らくちん。 「そう言えばさ、団蔵またラブレターもらったじゃん。返事したの?」 「してない」 「もったいないの…可愛い子いたのに…」 何通もらったかわからないラブレターの数。 なのに団蔵にいまだ恋人がいないのがなぞである。 「○○こそこの前1組のやつといい感じだったじゃないか。」 「別にそんなんじゃないもん…」 確かにいい感じだったかもだけど、私は団蔵が好きだから、他はどうでもいいんだよ。 「なんで別にいいんだ?」 「だって好きな人がいるんだもん。」 「はっ!?」 「いや、なんでそんなに驚くの?」 私、そんなに恋しちゃダメなの?えっ、ちょっとひどくない? 「誰だよ!!」 「ちょっ、」 あなたですって言えってのか? 好きなのはあなたですって言えってのか?ムリムリ。 「団蔵はどうなのよ?ラブレター無視してさ」 「いるよ。好きな奴」 「えっ!!」 「お前こそ驚きすぎだろ」 うそ…団蔵好きな人いるの? なんかめっちゃ落ち込むんですけど。聞かなきゃよかった! 「俺は、○○が好きだ。」 「…………」 「○○?」 はっ!? いやいやいや、そんな少女漫画見たいなノリの冗談いらないよ。いらないからね、 「俺、本気だから。」 えっ、夢じゃない? ちょっと…ほっぺ引っ張ってみよう。痛かったら現実だよね? 「いっ、痛い。」 「バカ、なんでほっぺひっぱんだよ?」 「だって夢かと思ったから…」 夢じゃないのだよね? そっかそっか、ってマジかよ!! 「団蔵、私も団蔵大好きだよ!!」 「返事おせぇよ」 「えへへ、ごめん」 秋休み最終日、無事幼馴染みから恋人に昇格しました。 prev|next |