ヤバい、ヤバい!!これ遅刻確定じゃんっ。

あわてて家を飛び出して、短くしたスカートが翻るのも気にせず学校に向かって全力疾走してる私は一応女の子です。


「○○!!このバカなにやってんだよ。」


そんな私を見つけて、後ろに乗れと自転車に乗って現れたこの男前は幼馴染みの団蔵。


「ありがと」
「女なんだから少しは気を付けろよな。」


スカートの中見えそうだったと怒るこいつは、たまにお母さんみたい。まぁ、掃除に整理整頓ができないお母さんは嫌だけど。


「とばすからな」
「うん。」


スポーツ少年の団蔵は体がしっかりしてるから、抱きつくと少しドキドキしちゃう。こいつは、かっこよくて優しい男前だからかなりモテる…幼馴染みポジションじゃなかったら、私はきっと団蔵と話すことさえままならなかっただろう。まぁ、幼馴染みポジションが災いして団蔵は私を恋愛対象として見てくれないという欠点はあるが…毎日話したり笑いあったり楽しい思いをしています。





自転車登校





「ギリギリセーフ」

「ギリギリな。」


ギリギリ過ぎだと土井先生に団蔵と拳骨をもらった後ガヤガヤ五月蝿い席についた。毎日のように五月蝿いこのクラスでは、ちょっとやそっとの私語で怒られたりしない。これが1組だったらすぐさま怒られるだろうが。


「あっ、兵太夫それ美味しそう。」
「あげないよ」
「ケチ、このパッツンが」
「なに?僕を怒らせるの?」
「滅相もございません。」


ちきしょい。美味しそうなイチゴムースポッキーを兵太夫から頂こうとしたら、断られた。
ちょっと悪口いったら怒るし…まぁ兵太夫を怒らせて痛い目をわざわざ合うやつなんて1組の伝七くらいなもんだろう。


「団蔵、」
「なに兵ちゃん?」
「○○がこれ欲しがってウザイんだけど」
「んっ?わりぃ兵ちゃん。○○、部活のマネ手伝ってくれたら買ってやるから我慢しろ」
「ほんとに!!わかった団蔵、私頑張るよ!!」


団蔵は甘いんだからと兵太夫が文句を言って、そうか?と団蔵がかえす。
そんなやり取りを見ながら、今日も団蔵と帰れるなんて幸せだなと幸せを噛み締めた。

prev|next



「#お仕置き」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -