「私は、あんたたちより前からずーと団蔵のこと好きだったんだから!!誰に文句言われる筋合いない!!」


中庭に響き渡るこの声は…
○○?



慌てて声のする方に駆けつければ、女の集団がいた。なんだ?なんかすごい事になってる…って、なんで○○があの集団の中心にいるんだよ!!



「遅いよ団蔵。」
「兵ちゃん、なんでいるんだよ?」


なんかよく分からないけどあの集団に突っ込もうとしたら、誰かに止められた。

「適当に突っ込んだら○○の立場もっと悪くなるよ。」
「どういう事だよ。それよりなんで兵ちゃん助けないんだ?」
「適当に団蔵が助けたり、僕みたいな第三者が入っていったら、あの女たちもっと○○に酷く当たるようになるよ。」
「意味わからない…」
「好きだった男が、一番くっつかないと思ってたやつとくっついた。自分の方が彼女としてふさわしいと思っちゃってる奴らにとっちゃ○○はムカつく存在だろ。だから、ここは一致団結してそのムカつく奴を虐めてやろうと言うことだよ。」
「なんだよそれ。○○は何も悪くないだろ!!」
「そうだよ。まぁ今何を言ってもわからないと思うけど。兎に角、今団蔵がするべき事は一つ。○○を選んだのは自分だってはっきり言うこと。あの女どもがどんなに足掻いても無駄だって分からせてやるの」


分かったらさっさと行っといで。

そう付け加えて兵ちゃんに解放された俺はまだよく分からなかったけど取り敢えず女達の中に飛び込んで○○を捕まえ自分の腕の中に引き寄せた。


「えっ…団蔵?」


震えた声で俺の名前を呼ぶ○○…いつもは元気すぎで困るくらいなのに…
なんでこいつがこんな思いしないといけないんだよ。
意味わからねぇ。



「何してるのかよく分からないけど、○○は俺の大切な人だから、泣かせるようなこと許さない。」


目の前の方にいる奴らを睨んで、兵ちゃんアドバイスどおりにちゃんと宣言しておく。これでいいんだよな?


「用ないなら、コイツ連れてくぞ。」
「ちょっと待ってよ。」
「何?」
「なんで、その子なの?もっと可愛い子だって気立てのいい子だっているじゃない。」
「気立てがよかったり可愛かったりとか、どうでもいいんだ。ガキの頃から俺は○○が好きなんだから。」


不安そうに見てくる○○をもう一度抱き締めて、まだグダグダ言う先輩にニッと笑ってやる。


「まだ用ありますか?」





さぁ、大好きと叫びましょう。





「団蔵、」
「なんだ?」
「ありがと」
「おう」


団蔵の自転車後ろを陣取って、団蔵の背中にしがみつきながら帰り道を走った。

さっきはとても怖い思いしたけど、団蔵が助けてくれたし、今は何も怖くない。

「団蔵、大好きだ。」
「俺はもっと大好きだ」
「私はもっと大好き」


伝えたいことはたくさんあるけど、いまは大好きって伝えとこう。


「帰ったらさ、久々にゲームやらない?」
「いいね、じゃあ団蔵の家直行コースで。」
「了解。」



団蔵の広い背中に抱きついて、私は幸せを噛み締めた。






…後書き……

団蔵って男前だよね!!

なんとなく学生もの書きたくてこうなりました^^

いつも通りの突発ネタなので、ここで一区切り打ちます。 では。
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