くそっ、南沢のばか野郎!!私の体力なめるなよ小学生以下じゃ!!
と内心叫びながら、初夏の爽やかな風と太陽光で乾いた無駄にふかふか気持ちいタオルを抱えて南沢の命令通りに持ってきたわたしは偉いと思う。
「ギリギリアウト」
そんなわたしに腕時計の秒針を見ながら南沢が笑いを含んだ声で時間オーバーを告げる。
「のろま」
「くそぅ…」
悔しいが、のろまは事実なので否定できない。バサッとタオルを南沢の横に置いてキャプテンに南沢が苛めるよぉっと報告するも苦笑されて終わった。
あの電子辞書事件以来なぜかマネとして強制入部され、あげくにタオル掃除係にさせられ毎日雑務に終われてる。母親は無情なもので、「あら、脱帰宅部?」とわらいながら頑張れと言う。無責任な。
まぁ、三国先輩がいるから帰りとか楽しいしいいか。
いや、パシられてるのはよくない。
忠犬or駄犬
「飲み物」
「はい」
「タオル」
「どぞ、」
「お手」
「あっ、」
思わず手を出してしまった。
「くっ、くそう…」
今日も今日とてパシられ、からかわれる。