「いさっ君ありがとう、大好き!!」
「はは、僕も好きだよ。」
当番だから医務室に来てみると、○○と伊作先輩が楽しそうに話して抱き合っていた。
「チッ、」
なんだよ、僕に好きだといったりくっついてたくせに、伊作先輩に大好きだとか言ってさ、ムカつく。
「伊作先輩、今日は何をしますか?」
「あっ左近来てたんだね。」
「はい。」
ムーと不機嫌オーラを出した僕に、伊作先輩は困った顔をした。
「今日は薬草の仕訳をするから、暇そうな○○も手伝っていってね。」
「はーい」
あーもうなんでイライラするんだろう。別に伊作先輩と仲良くしたって僕と関係ないだろ。これじゃあまるで嫉妬してるみたいじゃないか。
焦ったウサギちゃん。
「左近君一緒にやろう。」
「別にいいけど。」
と言う感じで、仲良く二人で作業できる事になって少し後、伊作先輩は他の仕事があるみたいで出ていった。
「左近君、」
「何?」
「迷惑だと思うけど…私ね、左近君のこと大好きなんだ今でも。」
「……」
また…か。
はじめて言われた時は、驚いて混乱して嫌いだと言ってしまった。でも、今の答えはきっと違う。
○○を知れば知るほど気になる存在になってきたこいつにきっと僕は…
「ごめんね、迷惑だよね。」
「………べつに」
「え?」
「僕も好きだよ。」
「……本当に?」
「こんなウサギ耳つけている奴でいいなら…」
「ウサギ耳なんか関係ない、私左近君のこと大好きなの」
○○がにへらと嬉しそうに笑って僕の手をとった。そんな○○の手を僕は握り返した。
「よろしくね、左近君」
「うん…○○」
きっと素直になれたのは、伊作先輩に嫉妬して焦ったからだな。