「……」

○○が私の元へ来た。


腫れた頬。
折れた腕。

崩れ落ちた体を慌てて抱き止めると、泣きながら、××が壊れてしまったと言った。






被害者A



「××が壊れちゃった…」


よくよく見れば、足にも痣がある。どうしたら、どうしたらこうなるんだ?

手を貸せとさっきまで話していた友に振り向くと雷蔵が固まっていた。



「××がね、壊れてしまったの…はやく助けてあげなくちゃいけないの…」


壊れてしまったのは、君なんだ。
ボロボロの彼女を抱き抱え保健室に走る私は、この被害者はどうすれば治るのかと考えた。


「○○、もういいんだ。」
「なにが?…」
「もう、自由にしていいんだよ。」


○○は、涙を流しながら私に笑った。


「もう、遅いよ。」


と。


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「見えない臓器の名前は」
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