「この前不破先輩は鉢屋三郎が先に手を出したなら自分は何も言わないと言った。
だから、手を出さないでください、不破先輩。」
「だからの意味が分からないよ。○○に手を出したのは××ちゃんだろ?」
「××は、なんでも許されるの。あの子に危ないものを持たせたコイツがいけないのよ。」
「理不尽だ。
分かってるけど、××に怒れないんだもの仕方ない。だったら元凶を怒ればいい。でしょ?」
「仕方ないってなんだい?
まったく話が噛み合わないね。」
本当に噛み合わない会話だ。
○○は、うまく考えられないのだろう。
それもこれも…私の妹のせいか。
「いいよ、雷蔵。」
「三郎?」
「○○、私もそろそろ限界だから…」
いつもと違う私の態度に足がすくんだのか○○は動かなかった。
その隙に、○○を仰向けに押し倒し、
なんとか起き上がろうと肘を使って体を起こす彼女に、馬乗りになった私は、彼女の髪を思い切り下に引っ張って、首を差し出させ、無防備な首にクナイを突きつけた。
「私は、君がお気に入りだ。」
ペロッと自分の唇をなめ、○○を見た。
白い肌も、艶やかな黒髪も、赤い唇も、素敵だね。××が欲しがるのも仕方ないのかもね…。
「私の物になってしまえ。」
カタカタ震える○○に少しクナイを突き刺してやると、もっと震えた。
「三郎、その辺にしてやりなよ…」
「違うよ雷蔵…私は…本当は大好きなんだよ○○が。壊してしまいたいくらい…」
「三郎っ!!」
死ぬ。そう思ったのか、
ギュウッと目を瞑ると、涙がこぼれ落ちたものが見えた。
「くっ…ふはは…面白いね○○は、殺さないよ。怖い思いさせたね…」
もう一度目を開ける○○は、少し安堵していた。
「三郎っ!心臓に悪いだろ?」
「怒るな雷蔵…私は××にこの子を返したら食堂に向かうよ。」
担いだ少女は思ったよりも軽かった。
チリンと鳴った鈴を聞いて、俺は無償に悲しくなった。
「その鈴…気にくわないね。」
「………」
「××が付けたんだろう。」
「○○、君は君が思うより素敵なんだよ…」
気に入らない首輪。