また、二人でいる。
ここ数日、なまえは南沢さんと一緒にいることが多い。
別にそれが悪いことでも、俺がどうこう言うことでもない。
けど、なんかムカつく。
なまえが南沢さんと笑ってたり、嬉しそうに後を追ってたりそんなのこの前までなんとも感じなかったのに、無性にイライラする。
馬鹿みたいにイライラするから、天馬とかに八つ当たりしちまうし、最悪だ。
「何やってんだろ。」
ぐるぐるぐると、かき混ぜる。
「倉間さっき1年ちゃんに達に当たってたでしょ?」
その事で神童に怒られた俺は、ベンチで反省と言う名の頭冷やす時間をもらい、涼んでいた。
「うるせー。」
そんな俺を笑いに来たのか、ベンチの後ろからひょっこり現れたなまえが楽しそうに俺の横に座ってきた。
「さて、倉間君は何でイライラしているのでしょう?」
「何でもいいだろ。」
本当は横になまえがいることが嬉しいのに、俺はそっぽを向くように冷たくなまえの言葉を切った。
「そう反抗しないの。
あーもう、いじけちゃダメよ。」
誰が、いじけるかよ。バーカ。
「ふふふ‥‥何で、イライラしてるか分からないのかい?」
「だから、困ってんだろ。」
「えー?本気で言ってる?」
呆れたわー。と勝手に続けるなまえにイライラするんだけど。
と、思いながらも、俺がなぜイライラしてるのか気になった。
なまえは本当に分かるのか?
「あっ、疑ってるでしょ?」
「別に。」
「まぁ、いいや。とりあえず聞いてみなさいよ。
倉間がイライラするのって、私と南沢さんがお話ししてて、速水とかも居なくて、倉間ボッチの時でしょ?」
「ボッチ言うな。」
「つまりはさ、一人が寂しいんだよ。」
「馬鹿か?一人が寂しいとか、んなこと思うか。」
「じゃあ、憧れの南沢さんが取られて悔しい! からでしょ。」
「べつに神童と南沢さんが話しててもイライラしねぇーよ。」
つらつら並べられた推理をぶった切る度なんかなまえが嬉しそうに笑う。
夏の暑さに頭でもやられたのか?本気で心配しそうになった頃、満面の笑みを浮かべたなまえが南沢さんにガッツポーズを送り、
南沢さんがニヤリと笑ってそれに答えだした。
「いったい何なんだよ。」
「えー?嘘でしょ、まだ気が付かないの?」
「はっ、」
「倉間さ、私関係の事でイライラしてるんだよ。」
「………。」
なまえが、南沢さんと話してるとイライラした。
1年たちと戯れてたらイライラした。
なまえが横にいると、何となく嬉しい。
「嘘だろ?」
「残念ながら事実です。」
なにが辛いって?
その事実をなまえから聞くことだよ。
「倉間、顔真っ赤よ。」
「うるせー。」
ケラケラ笑うなまえに怒りすら感じる。
しかも、南沢さんまでにやにやしてこっち見てるし。
「倉間君は私に何か言うことないの?」
あぁ、今になってなんか良く分かってきたよ。
南沢さんとなまえのやつ共謀して俺からかってたんだろ。
あんなに楽しそうだったのだって俺の反応見て笑ってやがったな。
「この、バカ女。」
「なによぉ、」
「好きだ!このバカ、」
「…、バカは余計よ。むしろバカは倉間じゃない、自分の気持ちにも気がつかなかったくせに。」
うるせー!
こだまする俺の声で余計恥ずかしくなった。
このバカ女にぐるぐるかき混ぜられて、もうよく分からねぇ。
(まぁ、なまえを簡単に渡す気はないがな。)
(なっ、何で、いつから‥‥)
(南沢先輩なら最初から居たよー)
(笑うな、なまえ!)
……あとがき…
琉榎様、大変お待たせしました。
好きな二人でしたので懲りにこって、なかなか進まないという…。
お待たせした分倉間を可愛くしてみました。お気に召していただければ嬉しいです。
リクエストありがとうございました!!