「どっか大学の文化祭とか行く?」
「俺次の日曜行く。」


三郎の問にそう答えてやると、なら俺ついてく。とみんなが言った。別に嫌ではないし集合時間と場所を決めて、遊びに行くことになった。


(そう言えば××先生この頃塾来てないけど、先生も文化祭準備とかなのかな?)







まぁ、そんなわけで、
あまり地元から遠くない農業・食品系の大学に遊びに来てる。

やたら広いし、野菜や加工食品が売っていてビックリした。

三郎が野菜を品定めしたり、勘ちゃん雷蔵がお菓子の行列に並んだり、八が牧場の方に行ったりと最終的にバラバラになったけどなかなか楽しんでる。






そろそろみんなと集合するために本館とかいう一番大きな建物に向かいたいのだけど、どうやら迷ったみたいだ。こまぉたので、近くにいた案内のお姉さん声をかけることにした。


「すいません。」
「はい、」


なんだか聞いたことある声だなと思いながら、彼女がこっちを向くのを待っていると、見知った顔が現れた。


「先生。」
「久々知君!?あらまぁ…鉢合わせ。」


塾で見るより派手な化粧でも、
スーツじゃなくても、すぐにわかった。

××先生だ。


「で、どうしたの?」
「友達と本館で待ち合わせしたんですがわからなくなって」
「あぁ…ここ広いからね。行こう」


素直に迷ったことを伝えると、友達なのか近くの人に断って一緒に本館まで来てくれた。


「そうだ、久々知君にまだ言ってなかったね。」
「何をですか?」
「私、この前追試受けたんだけどちょっとやばくてね、バイトやめることにしたの。」
「えっ?」
「この前の生物の授業で久々知君見るの最後だったんだ。なんか言い出せなくてさ…」
「もう先生に教われないんですか?」
「うん。」


本館ついたよ。
バイバイ

××先生はちょっと寂しそうにそう言って、

勝手にやめてごめんね。引き継ぎはちゃんとしたから平気だよ。
と付け加え俺から離れていってしまった。


「兵助、知り合いか?」
「個別で生物教えてくれた人。」


なんで過去形なんだ?と三郎が聞いてきたが、なんか答える気になれなくて、先生だったんだと、答えた。


(先生の生物が好きだったのに)


prev next

bkm
「#寸止め」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -