下駄箱から落とした上履きをはいて、
ローファを下駄箱に放り込んで、いつものごとくのんびりとクラスに向かっていたら、可愛らしいお嬢さんに捕まった。
「ねぇ貴女、土曜日蘭丸君といたよね?」
あぁ見覚えがあると思ったら金曜日に蘭丸といた子か…。
「まぁ色々あってね。」
「やっぱり…貴方どんな手を使ったの?私なんか、金曜日は話聞いてもらえないし土曜は走って帰っちゃったし。なんで、貴方は一緒にいれて私はダメなのよ?」
丸くクリクリした目を細めて私をにらむかわいこちゃん。可愛すぎて睨みに迫力ないよ、残念。
「それってさ、私に言うんじゃなくて本人に言いなよ」
グラウンドを指差してやると、お嬢さんは私に平手打ちをプレゼントしてくれた。
「って事があったんだよ。あぁ、痛い。」
保健室から拝借した湿布を貼ったけれども痛みの引かない左ほっぺに涙がポロリ。
アホを見る目で私を見る蘭丸と本気で心配してくれている神堂君のお陰で私は嫉妬の視線に貫かれ続けてます。
「ふふ、私泣きたい。」
机に突っ伏して視線から逃げてみるが、先生により叩き起こされた。
「で、そのお嬢さんはどうしたんだ?」
「可愛いからってなんでも許されると思うなよ。マジぶん殴るぞ。って笑いながら言ったら逃げた。」
「それは怖いな。」
「さぞ怖かっただろうな。」
お前ら二人嫌いだ!!こん畜生。
イラっとした勢いで、弁当入りの鞄を抱え一朗太兄ちゃん仕込みの速さで走りながら先生の前をわざと通ってサボりに向かった。
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